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〜Story3〜 芸術がそこにある
クローゼットを整理していると思わぬものが見つかったりする。遠い昔に忘れ去れらたようなもの。そして久しぶりに出会った過去からの使者は、懐かしい時代を思い出させてくれる。 捨ててしまう前に確認しようと思い、僕はLPレコードを一枚づつ手に取った。このアルバムを聴いている頃は?このアルバムを買った頃は?不思議なくらい鮮やかにその時の光景が思い出される。一枚ごとに浮かんでくる記憶に、僕はしばし時間を忘れた。
あるアルバムを手に取った時、そのアルバムが先日若くして亡くなった日本を代表するニューミュージックのミュージシャンであることを思い出した。当時はそのミュージシャンのファンでも何でもなかった。ただジャケットのデザインに惹かれて買っただけだ。今でも「ジャケ買い」と言われる買い方だ。
僕はこのアルバムを手にしたことで、レコードを捨ててしまうのが惜しくなった。CDのジャケットも同じ絵柄ながら、その存在感が全然違う。そう、ジャケットそのものが絵画として、インテリアとして芸術を主張している。こんな芸術品を捨ててしまうなんて! レコードの第2の人生を見つけたようで、僕は思わず笑みを漏らした。 |