Bloody's Tea Room
Team SPIRITS Web Master 「Bloody]の趣味の世界へようこそ

2018/02/18 15:32更新 

当ホームページは[Bloody]の完全なる自己満足の世界で成り立っております。
読者の皆さんも喫茶店感覚でお楽しみください

 

〜Story7〜

Just a Moment

クルマを走らせる時に景色に目を向けたこと、ありますか?
信号や歩行者、対向車や前走車ばかり見てませんか?

運転中に交通に関すること以外に目を向けることは本当は「わき見運転」。決して誉められることではない。 目的地により早く到着することを目的に作られた車なのだから、本当はわき目も振らずに進むべきなのだ。 通勤、通学にクルマを使う人々は、わき見をする余裕はまずないであろう。運送業などの業種はもっとその思いは顕著になる。

交通機関が発達し、人々が歩く行為を最小のもので済ますことが出来る社会。
Time is moneyと叫ばれて久しい喧騒とスピードの世界。
人生もまた、信じられないほどのスピードで進んでゆく。
そんな人生は幸せですか?
何か見落としたことありませんか?

現代社会は「金」という裕福さを図るメジャーを手に入れ、中流階級と呼ばれる階層を大量に生み出し、人々は金を使って得る幸せを手に入れた。
代償として人々は、気がついたときに真っ白になった髪の毛と自由にならない不健康な体を手に入れる。
そこに心の幸せはあるのだろうか?

まっしぐらに目的地を目指す代わりに、ちょっとだけ寄り道をしてみてはいかが?
クルマのスピードを落とし、ちょっとだけわき見をしてみよう。
たまにはクルマを降りて歩いてみよう。
お金では買えない、スピードを出していては分からない、そんな小さな幸せがそこには転がっているかもしれない。
まっしぐらに突き進んでいた時には見えてこない、一所懸命もがきながら生きて行く小さな命がそこにはあるかもしれない。
それを見落とした数だけ、人々の顔には深いしわが刻まれ、髪の毛が白くなってゆくと言う例えはおかしいか?

そんなことを感じながら、彼はふとクルマを止めた。
彼の右手に淡い紫色が目に留まったのだ。
梅雨明けを思わせる青空の下で、朝露に光るあじさいがその色彩美を見せていた。
もし、彼が「時間について」考えていなかったとしたら、彼のクルマはスピードを上げて通過してしまっただろう。
「ちょっと待って」
あじさいがそう訴えたかのような錯覚を彼は感じていた。
そのあじさいの訴えに耳を傾けるかのように彼はその景色を心のカメラに収めた。

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