〜Story8〜
Rosso
赤ってどんな色ですか？
赤い色を見たときにどんなことを想像しますか？
派手？目立つ？女性？
赤は情熱の色と表現されることが多い。
情熱の色を身にまとったマシンたちは、やはり情熱的ドライバーによって操られているのか？
答えはYES。
しかし、マシンを降りたドライバーたちには柔和な笑顔が広がる。
温厚さの裏返しなのか？
アルファロメオの紋章は十字軍と人食い大蛇によって構成されている。
これはミラノの名家｢ビスコンティ｣家の紋章であり、ミラノの市章。
人食い大蛇を退治した｢ビスコンティ｣家の勇気と栄光をたたえたミラノの紋章。
その紋章を持つマシンである以上、勇気と情熱を捨ててはならない。
ドライバーは思う。
「マシンに乗ったときには自分はミラノのナイトとなろう]
その情熱を掻き立てる赤いボディ。
彼らはその赤を｢Rosso Alfa｣と表現する。
イタリア語でアルファロメオの赤・・・。
イタリアにはフェラーリがあり、マセラティーがある。ナショナルカラーは赤である。
しかし、あえて｢アルファロメオの赤｣と表現されるこの色は、ミラノの街の誇り、ビスコンティ家の誇り、伝統と情熱の街の誇りが凝縮された｢赤｣だ。
ナショナルカラーではなく、ミラノの赤。
こんな赤に対して｢情熱｣の一言で形容していいものだろうか？
あえて表現するなら「誇り｣の赤。
ドライバーたちは思う。この赤を走らせる以上、誇り高くあるべきだ。
・・・我々はナイトとなろう・・・
この日、4人のナイトが集まった海岸沿いのパーキングに、夕暮れが迫っている。
一日の情熱的な走りを冷ますべく、夕焼けが｢誇りの赤｣をいっそう強調する。
そう、ミラノの街もこの街も、夕焼けは同じようにマシンを包んでくれているはずだ。
はるか彼方の彼らのマシンの故郷を思う時、いっそう空は赤みを増し、[Rosso Alfa」が輝いた。
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