Bloody's Tea Room
Team SPIRITS Web Master 「Bloody]の趣味の世界へようこそ

2018/02/18 15:32更新 

当ホームページは[Bloody]の完全なる自己満足の世界で成り立っております。
読者の皆さんも喫茶店感覚でお楽しみください

 

〜[ブラッディー]のブルートレイン弾丸ツアー〜
 

2009年の3月に東京発最後のブルートレイン「はやぶさ・富士」が廃止されてしまうと言ううわさを聞いた「ブラッディー」 。ブルートレインと言えば子供の頃の憧れの列車であったのだが、時間優先、新幹線優先の平成の世には合わず、ここ15年ほどでどんどん廃止されていってしまった。1870年代には東京発のブルートレインが10往復もあったのだが、現在は電車化された[サンライズ出雲・瀬戸]を入れても寝台特急がたったの2往復。旧来からの客車[ブルートレイン]は「はやぶさ・富士]しか存在しなくなってしまった。
その「はやぶさ・富士」が廃止されると言うのだから、今のうちに乗っておかねば!!と考えた[ブラッディー]は、9月20日からの飛び石3連休の真ん中22日(月)で休暇を取り、なんと0泊3日の博多往復「はやぶさ」弾丸ツアーを企画。早速みどりの窓口へ切符を買いに走ったのだった。
では、0泊3日、片道約16時間往復32時間、総行程2400kmのブルートレイン弾丸ツアーの模様をレポートしてみることとする

9月20日(土)東京出発〜往路
事前に予約していたのは往復とも開放型B寝台の上段寝台。いまや数少ない喫煙車である。
[はやぶさ・富士]にはA寝台個室[シングルDX]、B寝台個室「ソロ]が連結されており、せめて片道くらいは初めての個室に乗ってみたいもの!それがダメでも下段寝台に乗りたいものである。
ということで出発前に川越駅のみどりの窓口で個室の空き状況を確認してもらう。すると・・・
なんと!往路は喫煙の下段寝台が空いていることが判明。さらに復路はA寝台シングルDXに1室だけキャンセルが出たことが判明!早速切符を変えてもらう。B寝台とA個室の価格差は7050円!!高い・・・けど今乗っておかねば・・・

これが往路1号車2番下段            これが復路8号車2番個室
価格は川越ー博多の往復乗車券を含めて¥44670・・・・高い!個室寝台の切符は通常よりも長い切符になるのだ!
博多滞在時間はたったの7時間30分!

川越から埼京線ー宇都宮線ー山手線と乗り継いで東京駅へ到着。ちょっと腹ごしらえをし、コンビニでおにぎりとビール2リッター、つまみを購入。そう、食堂車が連結されていないので、乗る前に買い込んでおかなければならないのだ。
旅の準備が整った[ブラッディー]はいよいよ「はやぶさ・富士」の出発する10番線ホームへ向かう。
ホームには既に[はやぶさ・富士]の14系寝台客車12両編成が到着済み。まさに[機回し]が行われていた。[機回し]とは品川から回送で入線した客車の先頭にいた機関車を、進行方向側に付け替える作業のこと。ホームには鉄道ファンが一杯!

機回しされてきたEF66型電気機関車      列車の最後尾[富士]のテールマーク

電光掲示板の案内                 旅情を誘うブルーの車体

では、寝台特急[はやぶさ・富士]について解説しよう。
[はやぶさ]は昭和33年10月、先輩格の[あさかぜ]「さくら]の増発列車として東京ー鹿児島間に誕生し、その後西鹿児島行きとなる。35年7月に20系ブルートレインに置き換えられた。国鉄時代に24系25型寝台車へ置き換え、A個室寝台やロビーカー連結など華の時代を送った。JR時代になってからは、B個室などを連結した15両編成時代もあったが、末期は運転区間を東京ー熊本間に短縮。編成縮減、食堂車廃止、「さくら」と併結、ロビーカー廃止&[富士]と併結とどんどん衰退。現在は14系寝台車6両となった。
[富士]は昭和39年10月、「みずほ」の大分編成を独立させて最初から20系ブルートレインとして誕生し、その後西鹿児島まで延長運転された。長らく日本最長距離を走破する寝台特急として君臨。国鉄時代に「はやぶさ」と同じ24系25型寝台車へ置き換え、A個室寝台やロビーカー連結なども行われた。JR時代はほぼ「はやぶさ」と同じ編成を保っていたが、そのうち運転区間を東京ー南宮崎間、さらに東京ー大分間に短縮。編成縮減、食堂車廃止、ロビーカー廃止&[はやぶさ]と併結とどんどん衰退して、現在は「はやぶさ」と同じ14系寝台車6両となった。
東京からは前6両が[はやぶさ]、後ろ6両が「富士]の12両編成で門司まで走る。6両編成の内訳は、A寝台個室1両、B寝台個室1両、開放B寝台喫煙車1両、開放B寝台禁煙車3両。ちなみに個室は全て喫煙車である

1号車〜6号車[はやぶさ]             7号車〜12号車[富士]

[ブラッディー]は早速「はやぶさ」車内へ。今回[ブラッディー]が乗り込んだのは[スハネフ15 2]。この車両は14系15型2段寝台車の第1次車として昭和53年に富士重工で製造。当初は九州の早岐客貨車区に配属され、大阪ー長崎・佐世保間の寝台特急[あかつき]に使用された。JR九州に引き継がれてからは[彗星][あかつき]「さくら」などを担当し、最終的に熊本客貨車区で[はやぶさ・富士]を担当することとなった。なんと30年選手である。
ちなみに「スハネフ」とは?
[ス]は客車の重量を表し、3番目に重いランク。機関車の牽引力換算のために使われる。
[ハ]はイロハの「ハ]で昔の3等車。今の普通車を表す。
[ネ]は[寝る]の「ネ」で寝台車を表す
[フ]は緩急車。最後尾のになることができる尾灯付き車両を示す。
「スハネフ15」とは14系15型客車のB寝台緩急車で、[スハネフ15 2]はそのシリアルナンバー2番を指すのだ。

これが開放式B寝台車の車内。上下2段のベッドが対になって1区画4名の構成となる。通路は通常海側。寝台区画が山側なのだが、1号車と7号車だけは向きが逆になる。従って[ブラッディー]は寝台側に海がみえることとなる。
30年選手とはいっても寝台のモケットは張り替えられ、カーテンも決して古くない。シーツは糊がかかって清潔。
通路側には小さな折り畳み椅子がある
そして18時03分、寝台特急[はやぶさ・富士]は静かに東京駅を出発した。
出発直後にチャイムが鳴り、車掌さんの案内放送が始まる。チャイムはなんと50年間に渡って全く変更がない客車特急のチャイム。ノスタルジックなムードぷんぷん!しかも到着駅、到着時刻、列車編成の案内は延々5分間続き、放送が終了したときにはすでに品川駅を通過していた!

飛び石3連休と言うこともあって、東京出発の時点で乗客はかなり乗っていた。特に個室寝台とB寝台喫煙車はかなりの席が埋まっていた・但し、B寝台禁煙車はガラガラ。
[ブラッディー]と同じブロックには1番下段のお客さんが乗車してきた。この方、「はやぶさ」で久留米まで行って久大本線に乗り換え、そのまま大分に向かって翌日大分を発車する[富士]で戻ってくると言う弾丸ツアーのお客さん!ということは、[ブラッディー]と同じような弾丸ツアー!つまり帰りは門司で併結となる時に再会できると言うわけ!ちなみにお名前をハンドルネーム[たな」さんという。
二人はすっかり意気投合し・・・・
お互いのつまみを出し合って飲み始める(どこでも同じ・・・)
酒も程よく回ってきたところで、列車内の探索に出かける!もちろん「たな」さんと一緒に回ることとする。
先頭のEF66型機関車53号機

A寝台シングルDXの通路。この車両に復路は乗るのだ!右の画像はA寝台車の通路にある窓。この編成の中で唯一開けることができる窓なのだ。一緒に映っているのが「たな」さん。「たな」さんに教えてもらうまで知らなかった・・・。

B個室寝台ソロの通路。同じ個室でもA寝台とB寝台は通路の向きが逆。右の画像はA寝台車にある自動販売機なのだが・・・なんとビールがない!!2リッター買って置いてよかったよかった。

各車両にある冷水機は昭和53年当時から変わらない。紙コップも30年間変化なし。右の画像は行き先表示の裏蓋を開けたところ。昭和53年当時のブルートレインの行き先表示が並んでいる。どれもこれも[憧れのブルートレイン]時代の名前。

[富士]の12号車は[スハネフ15]のシリアルナンバー1番だった!禁煙車なのに灰皿がそのまま残っており、[禁煙]札があるだけ。近くなくなってしまうブルートレインにわざわざ改造することもないと言うことか?

連結部分の愛称表示。[富士]と[はやぶさ]のイラストマークが見られるのもあと半年

各寝台のテーブルには栓抜きがある!     洗面所はリニューアル車とオリジナル車で大きく違う
灰皿には[JNR=Japan National Railway=日本国有鉄道]

ひと通り車内を探索した[ブラッディー]と[たな]さんは自席に戻って再び飲み始め、旅行談義に花を咲かせたのであった。結局東京出発後、この日の最終停車駅岐阜までずっと話し込んでしまった。
ちなみに車掌さんによる車内放送は21時過ぎに終了。車内は減光される。
岐阜駅から1番上段にお客さんがやってきて、早速床作りをして就寝したので我々もここで宴会を終了。ジョイント音を子守唄に就寝することとする
と言いながら米原で目覚める!
時刻表の上では米原は通過駅。この駅はJR東海とJR西日本の分岐駅。よって運転手交代のために停車するのだ。時刻表上で通過の駅なのに停車することを[運転停車]という。ということでここで本当に撃沈zzz

9月21日(日)往路続き〜博多到着
[ブラッディー]は広島で目覚める。まだ辺りは暗い。
実は[ブラッディー]の乗った2番の付近は台車の真上で、車輪のきしみ音が大きいのだ。しかも設計の古い台車なのできしみ音もめちゃ大きい!まあ、乗り物好きには問題ないが一般のお客さんはちょっとうるさく感じるかもしれない。
広島は21日(日)の最初の停車駅。岐阜から乗り込んできた1番上段のお客さんは広島で降りていった。おそらく仕事でこの列車を利用したと思われるのだが、こういうお客様はこの列車がなくなったらどうするのかな?
広島を出発し、岩国を過ぎると車窓には瀬戸内海が広がる。
夜明けの瀬戸内海

ここまで快調に飛ばしてきた「はやぶさ・富士」なのだが、さすがにカーブの多い山陽本線に入るとスピードが落ちる。その後、柳井、下松と停車駅も増える。降りてゆくお客さんも多い。
この頃、外は雨が降り始め、しかもだんだんひどくなってきて徳山付近では土砂降りとなってしまう。
大雨だよ〜
車内では柳井から積み込んだ弁当の車内販売が徳山駅から開始される。この列車唯一の供食となる車内販売は1号車から販売開始。ところがこの列車限定5〜10食と言われる[特選幕の内弁当]を買い求める鉄道ファンたちで1号車はあっという間に列が出来てしまう。
ちなみに相席の「たな」さんはこの弁当をしっかりゲット!

これが[はやぶさ・富士]限定特選幕の内    こちらは「さよなら0系新幹線]幕の内
これ、両方とも「たな」さんが購入!朝食と昼食だとか・・・・
[ブラッディー]はあまり食にこだわらないので、車内販売が回ってきたときにサンドイッチとコーヒーを注文。両方で750円は結構安いと思うのだが・・・
[ブラッディー]はコーヒーがあればOK!
東京から東海道本線、山陽本線をひたすら走ってきた[はやぶさ・富士]は8時32分に下関に到着。ここまで牽引してきたEF66型電気機関車が開放される。
下関と門司を結ぶ関門トンネルは門司側の出口で直流電化区間から交流電化区間に変化するので、直流専用のEF66型では九州に入れないのだ。

ヘッドマーク付きEF66型が開放される     次の機関車を待つ14系客車

やってきたのは交直両用のEF81型400番台電気機関車。ヘッドマークもなくて味も素っ気もない。
でも、この機関車交換儀式は多くのファンがカメラを構えて見守っていた。ちなみに女性の姿が多いのにはビックリ!最近は[鉄子の旅]とかも流行っているので、女性の鉄道ファンも多いと聞く。
機関車交換のために6分停車した[はやぶさ・富士]は8時38分に九州に向けて出発!関門トンネルへ突入する。

トンネルを抜けるのにかかる時間は4分ほど。あっという間に九州入りして門司駅に到着。
ここで再び儀式がある。まずは関門間を牽引してきたEF81型を開放し、九州島内専用の交流電気機関車ED76型が「はやぶさ」の先頭に連結される。

カメラの砲列に見守られてED76型がやってくる。
そしてさらに鹿児島本線を熊本へ向かう[はやぶさ]と日豊本線を大分へ向かう[富士]がここで分割されるのだ。
従って先頭に連結されたED76型には「はやぶさ」の単独ヘッドマークが取り付けられている。しかもこのED76型、熊本から折り返しの上り[はやぶさ]にも使用されるので、ヘッドマークは機関車の前後に取り付けられている。
[ブラッディー]は「はやぶさ」で博多に向かうので、残された[富士]がどういう機関車に牽引されるのかわからないが、ここで前6両[はやぶさ]、後ろ6両[富士]となって終着駅を目指すことになるのだ。
客車側にも取り付けられたヘッドマーク
この日の朝、北九州地区に大雨が降った関係で九州島内はダイヤが乱れており、「はやぶさ」は5分遅れで門司を出発。小倉に停車したあとはかなりゆっくりしたスピードで終点熊本を目指す。
結局博多には定刻から6分遅れた10時16分に到着。久留米まで行く「たな」さんとここでお別れ。夕方の再会を約束してお互いの旅の無事を祈る。
ここで[はやぶさ]の往路の旅は終わり。なんとなく夜行列車に乗った後は倦怠感が漂うのは気のせいか?

博多に到着!                   JR九州独特の駅名表示

博多周辺で7時間行動
博多駅で「はやぶさ」を降りた[ブラッディー]は、まず新幹線ホームへ向かう。「はやぶさ」到着後の10時41分に、残り3編成のみとなってしまった新幹線0系の到着があるのだ。既に東海道からはいなくなり、JR西日本の新大阪ー博多間の「こだま」としてしか走っていない0系も2008年秋での引退が予定されているのだ。この機会に実物を見ておきたいもの!

2008年になってから登場当時のリバイバルカラーとなった0系新幹線。見納めである
他にも東京では見られない新幹線が博多にはたくさんいる

フレッシュグリーンの100系            ひかりレイルスター用700系
博多駅は九州新幹線の博多乗り入れ工事がたけなわ。そのうちこのホームから「つばめ」が発車するのであろう。

さて、時刻は11時。これからの6時間をどう使おうか?と言うことになるのだが、朝早起きしたこととサンドイッチしか食べていないことでやたら腹が減ってくる。そこで、「博多と言えば豚骨ラーメン!」ということで、全国的に有名な[一蘭]へ早めの昼食を食べに行くこととした。博多駅博多口にある博多センタービルの地下2階に[一蘭博多店]があることは事前リサーチ済み。迷うことなく直行!

センタービルB2Fの[一蘭]            まずは食券を買う
ここのラーメンは1種類のみ。食券を買って店内に入ると、一人づつ仕切られたカウンターテーブルに座る。1種類と言っても味や麺の固さ、スープの辛さ、ねぎの有無などをカウンターで帳票に記入。各自のお好みで食べることが出来る。
[ブラッディー]はもちろん替え玉も注文。味はちょっと辛さを押さえてもらい、ねぎはなしとした。
これが[一蘭]のラーメン
なんとなく前に食べたときよりも味が薄くなった気がするのは気のせいか?麺の歯ごたえも若干柔らかすぎるような・・・。でも、やはり豚骨ラーメンの老舗!満足満足!
満腹になったところでちょっと博多の駅前を歩いてみることとする。雨は止み、太陽が出てきたのでやたら気温が高くなってきて暑い!

九州新幹線乗り入れのための工事が行われているので、古い駅ビルは取り壊されてしまっている。
ちょっとビックリしたのは車の少なさ。いくらなんでも政令指定都市福岡の表玄関にしては車が走っていない。駅前の大通りもほとんど車が走っていない・・・・

駅周辺を2kmほど歩いてみたのだが、周辺はシティーホテルくらいしかない。キャナルシティまで行けば結構見所はあると元九州在住[荘太郎]さんに教えてもらっていたのだが、汗はかくし前日は風呂も入れなかったということで不快指数250%くらいになってきた。
そこで、ネット検索で発見したスーパー銭湯へ行ってみることとする。場所は博多から3駅南の南福岡駅近く。

鹿児島本線の下り普通列車に乗る       車内はガラガラ・・・・
でも、転換式クロスシートで乗り心地は素晴らしい
乗車時間6分ほどで南福岡に到着。駅から歩いて5分ほどの場所にあるスーパー銭湯[極楽湯]へ向かう

スーパー銭湯[極楽湯]は500円の入浴料金で7種類の湯船を楽しめ、さらにサウナもある。もちろん[ブラッディー]はこのスーパー銭湯で心行くまでのお風呂を堪能。前日からの汗と垢を落とす。風呂に入った後は電動マッサージでリラックス。
すっかり気持ちよくなった[ブラッディー]はリフレッシュ完了して博多へ戻る。

今回は[鉄に徹する]ということで、普段なかなか実物を見ることが出来ないJR九州の電車を写真撮りまくってきたのでここで紹介しよう。

787系7両編成の[リレーつばめ]         787系4両編成の熊本行き[有明]
[リレーつばめ]は九州新幹線「つばめ」が博多に乗り入れるまでの間、まさに[リレー]することを目的に設定されている特急列車。途中新八代駅で同じホームで「つばめ」に乗り換えることになるのだが、博多駅での行き先表示は[鹿児島中央]行き。

キハ71系[ゆふいんの森]T世          キハ72系[ゆふいんの森]U世
久大本線の有名温泉地湯布院への観光特急列車

783系5両編成[かもめ]              783系4両編成[みどり]
783系4両編成[ハウステンボス]
この783系は博多から前5両が長崎行き「かもめ」、次の4両がハウステンボス行き[ハウステンボス]、最後の4両が佐世保行き「みどり」と3つの行き先の列車が併結されている13両編成の特急列車。全国でも3つに分割されるのはここしかない。

885系6両編成大分行き[ソニック]        885系6両編成長崎行き[かもめ]


817系による篠栗線電車             811系鹿児島本線普通電車
813系にはこんな顔のヤツもいた

関東では見られない415系電車 左が九州色、右が国鉄カラーのリバイバル電車

ちなみに・・・・

博多駅にはこの喫煙所が全ホームにある。室内は冷房も空気清浄機も完備していてすこぶる快適。

博多出発〜復路
なんせ博多での滞在時間が7時間ゆえ、あっという間に時間が過ぎてしまう。気がつけば16時半。あと1時間しかない!
実はこの日、Spirits広島支部の「くろだ」さんが、広島駅で上り「はやぶさ」を待ち構えていてくれるという![くろだ]さんにお土産を買わなきゃ!
ということであらかじめ[荘太郎]さんから教えてもらっていた明太子の名店のメモを・・・・と思いきや!「ない!」・・・・なんと財布の中身を整理したときにメモを捨ててしまったらしい・・・・
結局
福さ屋にしました・・・・
ビールをまた買い込み、つまみを買い込んで17時33分発の「はやぶさ」を待つ。う〜〜む、博多でやったことはラーメン食べることと風呂に入ることだけか??

そして17時33分、「はやぶさ」が定刻に到着。早速8号車のA寝台シングルDXへと乗り込む。

では、[ブラッディー]初体験となるA寝台個室の様子をお目にかけよう。

これが個室全景。座席セット状態。室内にはテーブルとソファベッドが備わる。鍵は1番個室から3番個室がシリンダーキーで、4番個室から14番個室までが暗証番号式10キー。なぜ部屋によって鍵が違うのかは・・・知らん!でもこれでプライバシーは保たれる。
車両は「オロネ15 3002]。この車両は24系のA個室寝台車オロネ25型として昭和51年に製造され、平成17年にオロネ15型に改造された車両。ちなみに読み方は?
[オ]は客車の重量を表し、4番目に重いランク。
[ロ]はイロハの「ロ]で昔の2等車。今のグリーン車を表す。
[ネ]は[寝る]の「ネ」で寝台車を表す
「オロネ15」とは14系15型客車のA寝台中間車で、[オロネ15 3002]は[オロネ15]型3000番台の2番を指すのだ。

寝台をセットするには肘掛を上に跳ね上げて寄りかかり部分を収納し、座面を手前に引き出してベッドを広くする。掛け布団もB寝台に比べると広く、寝台セット状態ではかなりゆとりがある。
その代わり窓側のテーブルのせいで窓際に腰掛けることが出来ない。

テーブルは跳ね上げると洗面台になる。シャワーもトイレも個室内にはないが、この洗面所機能は嬉しい
右はA寝台車の乗客に配られるオリジナルタオル。昔は車内販売で売っていたんだけどなあ〜
機関車は往路と同じED76の66号機
博多を発車した「はやぶさ」は夕闇迫る鹿児島本線を北上する。
スペースワールドともお別れ
[はやぶさ]は博多から小倉まで無停車のはずなのであるが、途中福間駅で運転停車する。なぜかというと・・・・
後続の787系電車特急[有明]に先を譲るのだ!
これ、西村京太郎サスペンスのトリックとかによく出てくる[特急が特急に抜かれる]シーン!客車特急の「はやぶさ」は高速で走る電車特急の[有明]に列車のダイヤ上張り合うことが出来ないのだ。
でも、今の日本人には[時間]というもののゆとりがなく、追い越していった[有明]に今の日本人の姿を見ているような気がしてしまった。たまにはのんびり歩くことも必要なのだよ〜

さて、時刻どおりに小倉に停車して、続いて門司に停車した「はやぶさ」はなんと門司駅で29分も停車する!!!!!!いくらのんびりと言っても・・・と、これには訳がある。この門司では往路と同じように大分からの寝台特急[富士]を併結する作業があるのだ。
これがなかなか複雑である。順を追って説明しよう。

まず、門司駅6番線に「はやぶさ」が到着。ここで牽引してきたED76型を開放する。

残った客車には関門間を牽引するEF81型が連結され、ホームにいる乗客を残したまま一度ドアを閉めて!下関方に引き上げてしまう!!!!残った乗客は・・・・その間に弁当でも買ってきてくださいという話

そして同じホームの反対側5番線に大分からの寝台特急[富士]が到着。こちらも牽引してきたED76型開放される。

そして一度引き上げていた「はやぶさ」が[富士]の前に連結される。これで儀式は完了する。
この儀式にかかる時間が29分!なんとものんびりした話であるが、車内販売のない[はやぶさ・富士]にとっては貴重な買出し時間でもある。
ちなみに、右の連結シーンでカメラを構えている赤い服の方が往路に同席した「たな」さんである。無事に9時間ぶりの再会となった。

[ブラッディー]は門司でめぼしい弁当がなかったので、下関で弁当を購入。従って下関の5分間の停車で行われた機関車交換は見ていない。そして購入したのが
みすず潮彩弁当950円
海の幸をふんだんに使ったちらし寿司弁当で、これがなかなかの美味!ビールが進むわ、こりゃ。
余談だが・・・左は門司で購入、右は博多で購入。なんで形もラベルも違うの?
個室寝台で弁当を食べていると、[富士]から「たな」さんがやってきて二人で宴会となる。「たな」さんは復路でB個室寝台「ソロ]が確保できたとのことなのだが、さすがに「ソロ]の車内では2人での宴会は無理。
お互いのこの日の出来事を報告しあう。「たな」さんは大分ゾーンきっぷと言う一種の周遊券で久大本線にも乗って、天ヶ瀬温泉に立ち寄ってきたとのことなのだが、これが博多往復の切符と2000円くらいしか変わらないのだ。う〜〜ん、旅慣れた人は違うなあ。次はそういう切符をうまく使いたいものだ。
さすがにこの日の二人は疲れもあり、21時ごろには宴会終了。最後にB個室寝台「ソロ]の室内を拝見させていただき、お互いの部屋に戻る。

「ソロ]は2階建て構造になっていて、洗面所はなく室内では立つのが困難。但し[シングルDX]よりも後年設計されているので、設備は新しい。これで開放B寝台と同じ6300円なのだから人気が集中するのは当たり前。
[はやぶさ・富士]も全個室寝台&食堂付きだったらもっと人気が出たかもしれないのに・・・・。

さて、[ブラッディー]にとって夜はまだまだ終わらない。広島到着は23時35分。ここで「くろだ」さんとたった2分間のOFF会が待っているのである!
広島到着の1分前に[ブラッディー]は個室を出て、往路に「たな」さんから教えてもらった例の[たった一つの開く窓]から顔を出して[くろだ]さんを探す。そして・・・

やった、出会えました「くろだ」さん!何年ぶりだろう?3rdGIRO以来かな?お互いにお土産交換をして新年の[ママチャリGP]での再会を約束。意外と2分間の停車時間は長く話すことが出来るのね!最後は窓から体を乗り出して手を振って分かれた。

お土産にもみじ饅頭頂きました〜!       寝る前に機関車を見る 今日はEF66の49号機
この後、12両編成の車内を前から後ろまで歩いてみたのだが、個室は満室、開放B寝台は「はやぶさ」が20%、[富士]が10%くらいの乗車率で、[富士]の4,5号車は2両合わせてたった2名しか乗客がいなかった。これでは廃止されても仕方ないか?

これでこの日のイベントは終了。個室の明かりを全部消し、カーテンは開けて夜景を楽しみながら就寝することとするzzz
と言いながら、初のA寝台個室という贅沢になかなか寝付けず、結局眠ったのは福山駅だった・・・。

9月22日(月)復路続き〜東京到着
[ブラッディー]は名古屋で目覚める。時刻は5時15分。もちろん辺りは暗いのだが、ホームには[はやぶさ・富士]を撮影するために集まっている鉄道ファンがいっぱいいた。

いつもはここからせかせかと新幹線ホームに向かって、新幹線のぞみに飛び乗り、1時間40分で東京に着くと言う慌しい出張をこなしている[ブラッディー]も今日は違う!なんと言っても東京到着は9時58分!まだ5時間弱もかかるのだ。

名古屋を出発すると、東の空がだんだん明るくなってくる。三河湾を望む頃にはすっかり明るくなり、朝日がまぶしい
浜松到着直前の浜名湖通過中に「おはようございます」の挨拶と共に車内放送が始まる。ブルートレインでは朝の車掌さんの挨拶ほどすがすがしいものはない。

新幹線では写真を撮ることも難しいが、今日はゆっくり浜名湖を撮影できる

浜松を過ぎると車内販売が始まる。往路と同じように「はやぶさ」から売り始めると言うことで、[ブラッディー]は前日と同じくサンドイッチとコーヒーを買い込む
でも、今回は両方で950円!
ま、昨日はJR西日本、今日はJR東海の管轄になるので、サンドイッチの中身も違うし量も違う。新幹線で買うサンドイッチと同じメニューなのだが、味が違って感じるのは自分の心にゆとりがあるからかな?
3年ほど前に同じく寝台特急「はやぶさ」で出張から帰ってきたことがあったのだが、その際には掛川手前で人身事故により運転をやめてしまったという経験があり、今回の同じ場所を通過するときはちょっと緊張した(笑)

無事に鬼門も通過して掛川を過ぎるとお茶畑の中をゆっくりと東京へ向かう。

編成の後ろ側と                   前側
東海道本線を客車特急で上るという贅沢、本当に時間が止まったかのような感覚になる
残念ながら、富士付近が集中豪雨で視界がほとんど確保できず、富士山が見えなかったのが心残りだが、東海道線ならではの景色を贅沢に個室から堪能することが出来た。

大井川を通過                   由比の海岸線を行く

湯河原の温泉街と相模湾             真鶴から茅ヶ崎方面を望む

そして定刻の9時58分、寝台特急[はやぶさ・富士]は東京駅に到着。
品川駅付近から始まった最後の車内放送で、車掌さんが[またのご利用をお待ちしております]という言葉が身にしみた。

下関から長躯東京まで牽引してきたEF66型49号機  ヘッドマークも見納めか?
ブルートレインよ永遠なれ・・・・

往路16時間7分、復路16時間25分、確かにそんなに時間をかけて旅行する人はあまりいないのかもしれない。最近では北海道行きの[北斗星]でも乗客が減っていると聞く。
でも、飛行機や新幹線で時間を惜しんで旅に出て、旅先でもあくせくといろいろなところを見て回って、そして慌しく仕事に戻ってゆく・・・
そんな生活って本当に幸せなんだろうか?たまには思いっきり時間を費やすという贅沢もいいなと思った今回の旅だった。
[ブラッディー]のような弾丸ツアーをやろうとする人が多いとは思えないが、少なくとも往復のうち片道は「ゆったり」と考える人もいるのではないだろうか?思いっきり時間を使って、思いっきり贅沢に、そして日常を忘れる。
そういうこと、たまにはやってみたい。これからも時間を思いっきり使う旅を実行しようと思った[ブラッディー]だった
 

旅行記トップへ

inserted by FC2 system