Bloody's Tea Room
Team SPIRITS Web Master 「Bloody]の趣味の世界へようこそ

2018/02/18 15:32更新 

当ホームページは[Bloody]の完全なる自己満足の世界で成り立っております。
読者の皆さんも喫茶店感覚でお楽しみください

 

〜「ブラッディー」の最後のブルートレインの旅(札幌編)!〜

2014年1月から盛岡に滞在していた「ブラッディー」。3月末で契約期間を終えて関東に帰ることとなった。盛岡から川越までは320km/h運転になった東北新幹線「はやぶさ」を使えば3時間弱で到着する。でも、そんな帰り方じゃつまらない!
ということで考えたのが、日本ではついに2往復のみとなったブルートレインの旅!せっかく盛岡という北の地にいるのだから、日本最後の定期急行列車である夜行急行「はまなす」を使って札幌に行き、札幌からはこれまた日本最後の定期客車特急となった「北斗星」で関東へ帰ってこようというわけ。
他にも夜行列車は現存しているが、「ブルートレイン」と呼ばれる青い客車で運行しているのはこの2往復だけだし、「カシオペア」や「トワイライトエクスプレス」は隔日運行の臨時列車。この最後の機会を逃す手はない!
あくまで「盛岡から川越に帰任する途中に札幌に寄った」だけなので間違いないように!笑
かくして夜行列車2泊3日の札幌弾丸ツアーが決定したのだった。


3月31日:往路:盛岡19:37東北新幹線はやぶさ29号〜 新青森20:42:新青森20:50〜奥羽本線687M〜青森20:56:青森22:18〜夜行急行はまなす〜4月1日札幌6:07
3月31日には盛岡から引っ越し荷物を搬出する予定になっていたのだが、このシーズンは引っ越し業者の最繁忙期!なんと荷物の引取りが18時になるという。実は昼間は暇だった「ブラッディー」は青森までのんびり各駅停車で行く予定だったのだが、これでは新幹線を使わなければ青森発の「はまなす」に間に合わない!

仕方なく東北新幹線の「はやぶさ」を使うこととした。まあ、八戸〜新青森間も初乗車になるしいいかな。
ちなみにこの日に用意した乗車券はこれ
札幌フリーきっぷの仙台発バージョン
なぜ仙台なのか?実はきっぷの経由地に理由がある。盛岡発着の札幌フリーきっぷは、北斗星が停車しないこともあって東北新幹線限定。しかし仙台には北斗星が停車するので、青い森鉄道やいわて銀河鉄道も経由できるわけ。復路に「北斗星」を利用するためにはこの経路は必須なのだ。
計算してみると実は盛岡〜札幌、札幌〜上野(在来線経由)の乗車券を買うより、このフリーきっぷと仙台〜上野の乗車券を買った方が安い。おまけに札幌〜ニセコまでの区間は1日乗車券として乗り降り自由!こんなに「ブラッディー」のニーズに合った乗車券はそうない(笑)

ということで盛岡駅。3か月間お世話になりました〜!「こまち」と「はやぶさ」が2本連続して発車する電光掲示板も見納め。
この分割シーンも次はいつみられるかな?

「こまち」が連結器を収納しながら出発!    そして「はやぶさ」も連結器を収納して出発!
さて、そういえばE5系新幹線の座席について今まで触れたことがなかったのでちょっと紹介

これ、普通車の座席なんだけど、なんと枕が上下できるのだ。代わりにE2系にあった座面スライドが省略されている。どっちがいいのか?というと、やっぱり新型のE5系のほうがすわり心地はいいかな〜
しかし・・・やはり初乗車となる八戸〜新青森間は・・・全然つまらなかった(笑)八甲田山をぶち抜いて走らせていることもあって、トンネルばかりで何も景色が見えない。だから新幹線は嫌い!
旅情なく新青森に到着して、たった8分の乗り換え時間で奥羽本線の普通列車に乗り換える。なんか新宿駅で乗り換えているのと同じくらい情緒がない(笑)
奥羽本線普通列車に揺られること6分で青森に到着!
奥羽本線普通列車はおなじみの701系電車
でも、この電車にも当分乗らないんだろうな〜

前週に来たばかりの青森。やっぱり青森駅の方が新青森駅より好きだなあ・・・。
さて、青森では約1時間半の待ち合わせとなる。実は次の「はやぶさ」で来ても余裕だったのだが、なんとなく夜行列車に乗る時って早めに行動しちゃう。駅の構内には開いている店などないしどうしようかな〜と思っていたら
ん?入線時間が33分前!?
やっぱり夜行列車はこうでなくちゃねえ〜。これぞ「旅の始まり」「旅情」ってもんでしょ!
それでも入線までは40分くらいあったので、駅前のコンビニで買い出ししておく。本当はフリーエリア外での途中下車はできない「ブラッディー」の切符なのだが、駅員さんに頼んだら快く了解貰った!

その後は昭和を感じる頭上札や、函館からの特急「スーパー白鳥」を見ていたらあっという間に時間が過ぎる。
そういえば、急行「はまなす」は多客時には増結されて11両編成になったりするらしい。11両編成というのは、青森駅で営業停車する列車の最長になるんだそうな。

ということで21:45、夜行急行「はまなす」が入線してくる。

先頭はDE10型ディーゼル機関車。しかしこの機関車は青森車両センターからここまで牽引。すぐに切り離し作業が行われる。
青森駅は行き止まり構造になっているので、機関車に引っ張られる客車はプッシュプル形式で推進して入ってくる必要があるわけ。
DE10型が切り離されると

夜行急行「はまなす」のブルーの車体と「はまなす」のイラスト入りテールマークが姿を現す!

牽引する機関車は函館までが青函トンネル専用のED79型電気機関車。ED75型700番台を改造して登場した機関車で、おそらく来年の3月には姿を消すのではないだろうか?
では夜行急行「はまなす」の編成を紹介しよう。この日の編成は通常期と同じ7両編成。しかし実にバラエティ溢れる編成となっている。

まず函館側先頭の1号車と2号車はB寝台車。昔ながらの開放型2段寝台車で、ほぼ国鉄時代と変わらない内装を持つ。通路にある折り畳み座席や、窓の梯子が懐かしい。

JR北海道の寝台車には列車固有のエンブレムがついている。国鉄時代と変わらない行先表示もいいねえ〜。
ちなみに1号車はスハネフ14型550番台、2号車はオハネ25型。スハネフ14型は元々24系のオハネフ25型200番台に発電用電源を搭載した改造車で、現在はこの「はまなす」にしか使われていない。オハネ25型は元々「北斗星」に使われていた車両で、こちらも現在は「はまなす」しか使われていない。スハネフ14型はディーゼル発電機の音がうるさいので、乗るなら2号車をお勧めする。

3号車と7号車は自由席車でスハフ14型500番台。14系座席車が定期運行されてるのはこの「はまなす」だけ。しかもこの自由席車は製造当時とほぼ同じR51型リクライニングシートを備えている。足元に暖房があって足が伸ばせないし、リクライニング角度も小さくて長距離には向かないかも。昔は背もたれに体重をかけていないと戻ってきてしまう「簡易リクライニングシート」だったが、ストッパー付に改造されている。しかし、往年の長距離特急電車も同じ座席だったわけで、今の車両がいかに快適かがわかる。
ちなみにこのスハフ14型もディーゼル発電機を搭載しているのでうるさい。だから自由席車になってるわけね〜。

5号車、6号車はオハ14型。こちらの車両は「ドリームカー」と呼ばれる指定席車。元々北海道内の特急列車キハ183系のグリーン車に搭載されていた座席を再利用した豪華なシートで、足乗せ付のフルリクライニングシートが並ぶ。これなら夜行列車でも快適だ。
ちなみにこの指定席車はこの日満席で、逆にガラガラの自由席車でシートを向い合せにして寝ていた人のほうが快適に見えたのは事実なのだが・・・笑

ドリームカーの車端にはカウンターコーナーがある。ここも眠れない人などが本を読んで過ごしたりするのに便利!

4号車は同じオハ14型500番台ながら唯一のカーペットカー!1階席と2階席があり、2階席はちょっとした半個室のようでこれなら寝台車と変わらない。ベッドリネンもあって「はまなす」の中では一番人気!発売と同時に完売となるそうで、「ブラッディー」が今回手に入れたのは奇跡か?

1人分のスペースは横幅90p位だが、こんな感じで頭の部分は隣とカーテンで仕切られる。ハンガーも装備しているし、寝るだけなら何の問題もない。

カーペットカーの車端には更衣室があり、ちゃんと鍵もかかるのだが・・・これ、利用する人いるのかなあ?

カーペットカーは元々青函連絡船にあったカーペット敷き船室からヒントを得たものらしい。オハ14型はディーゼル発電機もないので夜は静かで快適快適!カーペット座席側の窓はこんなに小さくて細長い!
ちなみに各車ともリニューアルされた洗面所とトイレが装備されている。
ここにはコンセントもあるので、携帯の充電をしたい人には便利便利!

と、延々解説してきたが・・・要は面白い!こんな装備の列車って日本にはそうないぞ〜
ということで「はまなす」は22:18の定刻に青森を出発!寝台特急特有のあのオルゴール音と共に旅情豊かに旅が始まる。
乗って見て思ったのだが、実はこの「はまなす」は意外にも実用的に利用されているようだ。鉄道ファンや観光客の姿は少なく、出張サラリーマンや高校の運動部員の団体など利用者が目立つのだ。女性客も多くて、ドリームカーやカーペットカーには女性専用席がある。
確かに青森と函館の間は3時間近くかかるわけで、翌日の始発の特急では間に合わないという場合もあるだろうし、元々の青函連絡船が夜行便もあったことから、脈々と続く旅のスタイルがあるのだろう。
さて、そんなことで寝静まる客が多いので早めに車内で行動しておく「ブラッディー」は

青函トンネル内で機関車との連結部分を見に行ったり、青函トンネルの3線軌条部分を見に行ったりする。
「はまなす」を牽引するED79型は、函館で切り離された後で、折り返し上り「はまなす」を牽引するので、機関車の両側にヘッドマークがついているわけ!
そして青函トンネルでは現在新幹線工事が行われているので、新幹線用の広い軌間と在来線用の狭い軌間が両方敷設されているところもあるのだ。
青函トンネル前後の津軽線と江差線はもともとローカル線だったので、カーブも多いしジョイントも多いのでかなり揺れるのだが、青函トンネル内はさすがに新幹線規格で作られていることもあり、ロングレールを使用していて乗り心地も快適!

青函トンネルを抜けると木古内駅で運転停車。客扱いをしないが、ここでATCとATSを切り替えるので停車するのだ。駅の向こうには北海道新幹線の巨大な橋脚が見える。
そして「はまなす」は定刻0:44に函館駅に到着。すると反対のホームに・・・
ん?あのエンブレムは「北斗星」?
そう!間違いなく「北斗星」!でも、本当は3時間ほど前の21:49に函館を出発しているはず・・・
実はこの前日、東北地方では暴風雪が吹いて、青い森鉄道線では倒木事故があったのだ。その影響で下り「北斗星」が5時間半遅れて札幌に着いたらしい。札幌での折り返し準備が間に合わず、この日の上り「北斗星」は3時間遅れぐらいで札幌を出発したのだとか

翌日はあっちに乗っているはずなんだなあ〜と感慨深げに見送り、ここまで「北斗星」を牽引してきたDD51型ディーゼル機関車の重連のサウンドに聞き惚れる。

さて、到着した「はまなす」からはED79型電気機関車が切り離される。ここからは非電化区間になるのでDD51型ディーゼル機関車にバトンタッチするのだ。
青森と同じように函館も連絡船の関係で行き止まり駅になっているので、DD51型は編成の反対側に連結される。要はここから札幌までは進行方向が逆になるのだ。座席車の乗客は座席を回転させたいところだが・・・0時過ぎということでそんなことする人はまずいない(笑)

もちろん編成の反対側では機関車連結シーンを見ようと観客多数!しかしやってきたのは客車を1両連結したDD51型!

この客車、どうやら五稜郭車両センターで整備を受けていたらしくピカピカだった!これを札幌運転所まで回送するために、定期列車である「はまなす」に増結して輸送してしまおうという話らしい。

そういえば今回の「はまなす」は車両が汚いよなあ・・・昔のブルートレインはもっとピカピカだったイメージなんだけど・・・

さて、先頭に立ったのはJR北海道所属のDD51型!このカラーリングカッコいい!
機関車交換儀式も見終わったのだが、函館発車時間は1:23.なんと30分以上も停車する。このまま出発してしまうと札幌に6時前に到着してしまうので、ここで時間調整をするわけだ。

ということで一服したり、「イスチ」さん大好きな頭端式ホームを見つつ時間をつぶす。
さて、いよいよ出発!というときに、ドリームカーの休憩室でコーヒーを飲んでいたのだが、
窓の外が急にガヤガヤと・・
多分、この春高校を卒業した卒業生たち。仲間の一人が札幌に行くということで見送りに来たのだ。列車が発車してもホームをダッシュして列車を見送る姿、久しぶりに見たなあ〜。昔ながらの微笑ましい光景に思わず心が温かくなった。
と、見も心も温まったところでそろそろ就寝zzz。レールのジョイント音を子守唄に眠りにつく。
長万部や東室蘭に停車したことなど全然知らない(爆)

目が覚めたのは苫小牧を過ぎてから。時刻は5:00過ぎ。3時間は寝たかな。
カーペット車は車両の床に近いところに寝ているせいか、やたらレールの音が響くのが難点だった。もしかしたらドリームカーのほうが実は寝心地がいいのかもしれない。カーペットが固いのも腰に来るかも・・・

窓の外には日の出前の北海道の原野が!最果て感ってやつ?抜群だわ。

千歳到着のころにようやく日の出!札幌到着は目前だ!

朝日に照らされた雪原を見たり、雪景色の街を眺めていると札幌が近づいてくる。

左手にサッポロビール工場を見ながら高架を上ると札幌に到着!

「はまなす」は定刻の6:07に札幌到着!旅情感最高の夜行列車の旅はここに終了した。
ちなみに座席車の連結されている定期夜行列車は「はまなす」だけ!早めに乗っておかないとなくなっちゃうよ〜

4月1日AM6:00:JR北海道列車ウォッチング
朝の6時に到着したって・・ねえ(笑)
なんせ喫茶店なども閉まっているし、観光地がやっているはずもなく・・・。
しかし「ブラッディー」はめげない!だって札幌に来たのは32年ぶり。高校1年生のころに来て以来なわけ。もちろん札幌駅は高架になって全然イメージちがう し、走っている車両は全然違っている。とにかく本州では見られない列車がたくさん見られるので飽きない飽きない!
「乗り鉄」で「メカ好き」だが「撮り鉄」ではない「ブラッディー」は、とにかくいろんな車両のデザインとかメカニズムを見たいわけよ。だから有名撮影地に行くなんてことはしない。ってことで駅構内のロッテリアが開くまでの1時間は、列車ウォッチングすることにした。
では、この1時間を含めてこの日見たJR北海道の個性的な車両たちを紹介しよう。
まずは特急用車両から。

こちらは785系特急型電車。JR北海道が新造した初めての特急電車で、元々は旭川〜札幌〜室蘭の特急「スーパーホワイトアロー」に使われていた。現在は札幌〜旭川の特急「スーパーカムイ」と札幌〜室蘭の特急「すずらん」の他、「スーパーカムイ」がそのまま千歳空港に快速「エアポート」として直通運転されるときにも使われる。もちろん130q/h運転が可能。
北海道では電化されている区間が旭川〜札幌〜室蘭間しかないので、特急列車も電車よりも気動車のほうが主流。電車特急そのものが貴重なのだ。
こちらは最新型の789系1000番台特急型電車
青函で使用されている「スーパー白鳥」用の789系電車をベースに作られ、札幌ー旭川間の特急「スーパーカムイ」に使用されている。
785系電車も同じなのだが、札幌近郊の特急電車にグリーン車はない。その代り指定席車が[uシート」と言われるグリーン車並みの座席を備えているのが特徴。これは新千歳空港連絡の快速「エアポート」としても使用することを前提に作られているためなのだ。

こちらはJR北海道が誇るキハ281系振り子式気動車。高速運転をするためにカーブで遠心力に対抗して車体を傾ける振り子式を道内で初めて採用した車両。現在は函館〜札幌間の特急スーパー北斗に使用されている。流線型でありながら前面貫通式構造なので、増結などにも対応できるのが特徴。運転台構造はJR北海道の特急用車両の基本となったし、JR東日本の成田エクスプレスも似た構造を採用している。
130km/h運転ができる性能があるが、このところ不祥事続きのJR北海道はエンジントラブルなどを避けるため3月のダイヤ改正から120km/h運転に速度を抑えてしまった。

こちらはキハ281系の後継車、キハ283系振り子式特急気動車。札幌―釧路間の特急「スーパーおおぞら」に使用される。
多客期には10両編成なんて言う長編成になることもあるらしい。
ただ、振り子式気動車は台車構造が複雑でトラブルのもとになったり、メンテナンスも大変。さらに高価ということもあって、このキハ283系の製造を最後に途絶えている。

ということで登場したのがこのキハ261系特急気動車。札幌〜稚内間の特急「スーパー宗谷」に使用されている。
振り子式が高価なので、空気ばねの左右圧力を制御することで車体傾斜させるシステムを採用している。
車体傾斜角度は振り子式ほどではないが、このTiltシステムはその後N700系新幹線などでも採用されている画期的な技術なのだ。

そのキハ261系の増備車がこのキハ261系1000番台。基本的には同一構造だが、成田エクスプレス用のE259系電車に近い顔になった。
札幌〜帯広間の特急「スーパーとかち」に使用されている。
しっかし・・・北海道の特急列車って「スーパー」ってつくのばっかりで何がスーパーなのかよくわからん(爆)

こちらは懐かしいキハ183系特急型気動車。左の車両はオリジナルのスラントノーズスタイルで、右の車両は国鉄末期に増備された後期型の貫通スタイル。編成の前後で表情が全く違うわけ。
現在は定期列車としては札幌〜網走間の特急「オホーツク」に使用されるのみだが、

この日は札幌〜函館間の臨時特急「北斗」にも使用されていた。
キハ183系の中で国鉄時代に搭載されていたDML30HS系水平対向12気筒エンジン搭載車は、一昨年から問題となっているエンジン出火事故の影響で使用を中止している。結局このまま引退になってしまう可能性も高いので、乗っておく、撮っておくは今のうちかも。
そういえばキハ183系の使用列車には「スーパー」が付かないな。要は国鉄時代の車両はスーパーではなくってJR北海道の車両はスーパーなんですよって感じか?
駅の案内放送が電車特急の場合は「エル特急」と言っていたのに対して、長距離の気動車特急は「特別急行列車」と言っていたのも懐かしい感じだ。

続いては通勤輸送を担う近郊型車両。前に北海道に来たときには茶色い客車が30分に1本程度しか走っていなかったのだが、今や札幌都市圏は首都圏と同じような大量輸送時代を迎えている。函館本線、千歳線、札沼線が4方向からひっきりなしにやってくる。
利用してみて思ったのだが、運行系統が複雑な割には案内はわかりやすいし、快速や区間快速、普通列車が15分ヘッドくらいで走っているのでほとんど待たずに乗れる。本数は決して多くないのに待たされていらいらということがあまりない。

こちらは現在の主力、721系電車。JR北海道が新造した初の近郊型電車で、札幌都市圏のすべての路線で使用されている。
右の画像の様に721系電車は室内が2分割されていて、ドア付近は客室と仕切られている。これは冬の寒さを考えたもので、乗り降りに時間はかかってしまうものの防寒を重視した設計になっているわけ。ちなみに首都圏では主流の両開きドアはJR北海道には存在しない。冬にドアを大きく広げてしまうと車内の暖房が逃げてしまうからなのだ。

そして721系電車はなんと関西の新快速用電車などと同様の転換式クロスシートを採用している。後継車両が全部ロングシート車なので、好んでこの車両に乗りたがる人もいるらしい。

さらに721系電車の最大の特徴がこの[uシート」車両。快速「エアポート」に使用される編成にはこの[uシート」車両が1両、指定席車として組み込まれている。快速「エアポート」以外では自由席なので、このリクライニングシートに乗車券だけで利用できるのは最大のサービス。
快速エアポートは15分ヘッドで札幌〜新千歳空港を結んでいて、空港アクセス列車としてはとにかく利用しやすい。車内には
なんと京浜急行の広告まである!
やっぱり北海道と東京の間は航空機には勝てないのね。寝台特急で16時間なんて人はごくごく一部なわけだ。


何が違うの?ってくらい似た車両たち・・・・・色が違うんです(核爆)
じゃなくって、左上から731系電車、733系電車、735系電車、キハ201系気動車。731系電車とキハ201系気動車は電車と気動車を併結できる構造を持つ珍しいステンレス車両。 非電化区間に直通する車両と途中駅で分割併合する電車が一緒に走れるわけ。そのために車体構造も全て合わせてある。
731系電車の改良版で試作的要素を持つアルミ製電車が733系。その量産版と言えるステンレス製電車が735系。この 733系と735系は昨年の札沼線電化開業でデビューした新車。
見ての通り帯の色で識別できる。わかりにくいが733系は側面の帯がないのだ。でも車内はロングシートなので正直快適性はない。北海道特有のデッキ式ではないし、これは地球温暖化の影響で北海道でも寒さを気にする必要がなくなったという証拠なのか?

ということで北海道の電車たちはいろいろな系列が混結で使用されるので見ていて面白い。なんか関西の電車や京浜急行みたい。
兄弟?

こちらは北海道内で札幌〜旭川間が電化された当時から活躍している道内初の電車711系
国鉄時代に増備された車両のみが残存しているが、車齢はざっと34年!そろそろ引退かも。
左の車両はオリジナルの2扉で残る車両。右は中央扉を増設した3扉車。721系の様に扉付近はデッキで仕切られている。右の車両などは今時冷房も搭載していない!顔つきは昔から見慣れた国鉄顔ながら頭上の2灯ヘッドライトが特徴 、
こちらはキハ143系気動車
札沼線電化開業後はほとんど札幌に姿を現さなくなった車両で、この列車は千歳線の東室蘭行き。
この車両は元々オハフ51型という客車にエンジンを搭載して運転台を取り付けた珍しい改造車。オハフ51型は国鉄時代の製造なのでこちらもざっと車齢35年と言ったところ。
JR北海道には気動車になった客車、客車になった電車、気動車と併結する電車、電車と併結する気動車、気動車に組み込まれる客車という感じで、とにかく「あるものを有効活用」する車両が多い。財政事情が厳しいのかなあ〜。
駅構内には弁当屋さんやそば屋さんもある   

近代的でモダンな札幌駅だが、何となく懐かしさを感じる駅だった。ちなみに・・・どこかの誰かの車に同じ言葉を見た気がする(笑)
あ!消費税は8%になってる(笑)
そうそう、この日から消費税は8%!金銭感覚考えておかなきゃね。

札幌市内観光〜小樽〜石原裕次郎記念館
さて、鉄の話はこのくらいにして、せっかく来たんだから札幌市内観光や小樽へも行かなきゃ!
7時に駅構内のロッテリアが開いたので、まずは腹ごしらえをしてから市内観光へ出発!朝7時の札幌は人通りも少なくて散歩するには最適。
しかし・・・
札幌市内の交差点はどこもかしこも歩車分離式信号
これが厄介で、とにかく普通に歩いているとほとんどすべての信号で止められる。しかも歩車分離式だから待ち時間が長いこと長いこと。
おまけに残雪の影響と思われる埃っぽさがあって、さらにビル風が強いものだからコンタクトレンズの「ブラッディー」には地獄だった・・・。
札幌駅から大通り公園までは歩いてもさほど距離はないので朝は歩いたものの、この教訓をもとに午後は地下鉄を使うこととした。

最初に向かったのは時計台!駅からは7分ほど歩くと到着する。ここは元札幌農学校の演舞場で国の重要文化財に指定されている。開館時間は9時なのでもちろん開いていない。でも32年前に来たからいいのいいの!

次に向かったのは大通り公園。公園の終端部分にはシンボルタワーのテレビ塔がある。

いつもながらだだっぴろさはすごい!確か日本で最初の100m道路だったような・・・
でも、残雪が汚く残っているし、一部は工事中だったりして前に来たときの綺麗な印象はないなあ。
このアングルが一番見栄えいいかも
さらに大通公園を西に進み、北上したところにあるのが

北海道庁旧本庁舎。通称「赤れんが」。重要文化財に指定されているが、昭和の時代に復元工事が行われて現在の姿になったのだ。元々は明治時代の建造物。東京駅に通じるものがある。
札幌市内の朝の散歩はこの辺で切り上げ、札幌駅に戻った「ブラッディー」は8:08発の函館本線で小樽築港へと向かうことにする。
電車に乗ってから間もなく、3時間睡眠の余波がやってきてほどなく撃沈zzz。目が覚めると

こんな素晴らしい光景が展開していた!ここは有名な銭函海岸。函館本線の沿線では有名な景勝地。銭函駅から小樽築港駅までの間は日本海沿いをずっと走行するのだ。雪と海と空のコントラストが最高で目が一気に覚める。
そうそう、銭函駅はその名の通り「銭箱」に通じるということで入場券が流行った時期があった。「ブラッディー」も確か昭和51年ごろのを持ってた気がする。
列車は9時前に小樽築港へ到着!小樽築港と言うと昔は小樽築港機関区があって蒸気機関車がたむろしていた場所。しかし・・・

引き込み線の残骸と・・・              倉庫のような古い建物の他は

どでかいショッピングモールと          観覧車に変貌している
ちなみに
駅の階段はなんと室内にある
海が近いので潮風が吹くとそれはそれは寒いわけ!階段に雪が吹きつけないように囲ってあるのだ。

さて、 駅に到着してふと思い立った「ブラッディー」はみどりの窓口へ向かう。なぜか?
これがこの日の北斗星の寝台券
B寝台の個室「ソロ」を押さえてあったのだが、本当は日本最上級の一人用A寝台個室「ロイヤル」に乗りたかったのだ。
みどりの窓口で「ロイヤルに空きがあったら変えてほしいんです」というと・・・簡単に「ありますよ」との返答!

やった!これで思い残すことなく死ねる(爆)!   しかしソロとの差額11490円!消費税8%だってば(爆)
実はこのパターン、結構多いのだ。寝台特急「はやぶさ」の時も前日まで空いていなかったA寝台が当日になって取れたり、「サンライズ出雲」の時も当日になって上段個室に変更できたり。
多分、旅行会社とかがツアーで抑えてある分を当日になって開放するのが原因だと思うんだが・・・。まあ取れたんでいいとしよう!

さて、気分よく駅の外に出てみると展望デッキがあった。そこからの眺めは

いや〜最高でしょう!               この景色を見れただけでもういいや
じゃなくって!小樽築港に来た理由は別にある。それは

そう!有名な石原裕次郎記念館!すげえ立派な建物!
庭には裕次郎が生前所有していたヨットが展示してある
「ブラッディー」は特に裕次郎ファンではないのだが、仕草や低い声、そして出演していたドラマが大好きなのだ。多分同世代の男の子たちは・・

みんな知ってるよね〜西部警察!

ホールには西部警察で使用された3台の車と2台のバイクの実車が展示されている。特にZとガゼールは番組のために特注された世界で1台しかない貴重車両。これだけ見られただけでももう死んでもいい(こればっか・・・爆)
ここまでは無料で見られるので、ここで帰ってもいいのだが・・・
なんせ他にお客様がいないものだから、館内の女性従業員の目が・・・汗
しかも「ブラッディー」の動きに合わせてみんな移動するから歩き回りにくいったらありゃしない(爆)
もちろんもともと館内を見るつもりだったので、入館料1500円を支払って館内へ。そういえば増税分とられなかったな・・・。
館内は撮影禁止なので画像はなし。でも裕次郎主演映画のダイジェスト版8分間の上映や、黒部ダム建設現場を再現した映画セット、栄光の5000qに登場したブルーバードのラリーカー、裕次郎が乗っていたメルセデス300SLガルウィング、結婚式衣装や婦人とのなれそめ展示、クルーザーの実物大模型、作品で着ていた衣装展示、別荘の内装を再現したエリア、発売されたCDやレコード類など、じっくり見て回ったら1日かかってしまいそうな内容で大満足!
最後にお土産屋さんで思わず散財してしまった・・・笑

さて、石原裕次郎記念館を見終わると時刻は10時。実はこの後、本当は小樽にある小樽市記念館に行きたかったのだが、この日は火曜日なので休館。さらに「寺ちゃん」が紹介してくれたラーメン屋さん「渡海屋」も休み。小樽に行く理由がなくなったので、ここから札幌に戻ることとする。
何か絵になる小樽築港駅近くの埠頭
ちょうど快速エアポート号が来たのでそれに乗る
ホント、札幌都市圏の鉄道は便利だ。とにかくほとんど待たずに乗れる感じ。快速エアポートは普通列車よりも所要時間が10分程度早いので、札幌までは30分くらいで着いてしまう。

帰りはクロスシートの721系なので、銭函海岸を眺めるのも気分がいい。

さて、札幌に到着した「ブラッディー」は、早めの昼食を摂るべく「寺ちゃんミシュランガイド」(爆)に乗っていたラーメン屋さん「凡の風」に向かうこととする。なぜそこにしたのか?「凡の風」は札幌市電の「西線九条旭山公園通り」にあるのだ。そう!市電にも乗りたいというわけ。
しかし、朝の散歩で歩くのは懲りたので、市電の出発駅である西4丁目の近くにある大通駅までたった一駅地下鉄に乗ることとする。
と、その前にこれを購入
共通ウィズユーカードというこのカード乗車券は、市電、地下鉄、バス共通券で、1000円で1100円分使うことができるのだ!
というわけで地下鉄に乗るのだが、札幌市営地下鉄は普通の地下鉄ではない。

ん?線路がない!そう!この地下鉄は鉄の車輪ではなくてゴムタイヤで走る地下鉄なのだ。「ブラッディー」の乗った南北線がゴムタイヤ電車としては日本初。グリップがいいので、普通の電車よりも加速が良く感じる反面、ピッチングが結構激しい気がする。
大通駅から西4丁目電停までは徒歩3分。札幌市電の始発駅はこんな感じ

なんか新しい電車が止まっていたので・・・・わざわざ古い次の電車に乗る(笑)

車内には無料貸し出し傘があったりして微笑ましいし、専用軌道がなくて全線が路面区間というのも珍しい。
古い電車は昔ながらの吊り掛け駆動なので、モーターの唸りも勇ましく走る。これがまたいいんだな〜
この市電、結構お客さんが多くてこの時間でも立っている人が多いくらい。均一料金170円ということと、地下鉄との乗り継ぎ割引もあったりして使い勝手が良さそうだ。
電車に揺られること10分ほどで、目的地の西線九条旭山公園通りに到着する。

そして到着したのがラーメン「凡の風」。有名店なので、開店直後というのにお客さんが既に半分近くの座席を占めていた。「ブラッディー」はお店の人の一番のおすすめという塩ラーメンを注文。やっぱり札幌は塩なのね〜。
この塩ラーメン、確かに絶品だった!魚介出汁に鶏ガラを加えたベースのスープに程よい塩味が絡んで、さらに麺も中細。九条ねぎのトッピングもいい!これで700円は安いんじゃないかな〜。「寺ちゃんミシュラン」ありがとう!

さて、腹ごしらえが終わったところで西線九条旭山公園通りから再び市電に乗り込む。どうせなら全線制覇ということで再びすすきの方面行きに乗ることとする。
この市電沿線には、藻岩山ロープウェイの乗車口や中島公園と言った札幌市内観光の有名地があるのだが、前に来たことがあるのでパス!終点のすすきのまで一気に乗り切ってしまう。但し・・・その間に眠気が襲ってきて撃沈zzz
気が付くと終点のすすきのに到着していたので慌てて下車。
「すすきの」って漢字では「薄野」って書くのね

出た!またまた「イスチ」さんの好きな頭端式ホーム!でも市電のだと可愛いなあ。
ちなみに市電の始発駅である西九丁目電停は地下鉄大通駅の近く、終着駅であるすすきの駅は地下鉄すすきの駅の近く。地下鉄だとたった1駅2分!市電だと超大回りして30分以上かかる(爆)
すすきの交差点ってど真ん中に時計塔がある!
ぶつかったりしないのかなあ・・・
さて、時刻は12時半。夜のすすきのには大いに興味があるが、残念ながら12時間早かったらしい(爆)

ということで次に向かったのは地下鉄南北線の終点、真駒内。なぜか?
これを見たかった!
これは1972年の札幌オリンピック開催記念塔!ここ真駒内には選手村があったのだ。プレートを見ると「出場国35か国」意外と少なかったのね〜

駅前の街の幹事はなんとなく国際的だし、右の画像のUR住宅は確か当時は選手村の宿舎になっていたような記憶がある。
近くには競技場などもあるのだが、時間がないので早々に退散(笑)急いで札幌に引き返す。それはなぜか?

大阪行き寝台特急「トワイライトエクスプレス」が14:05に発車するのだ!

機関車の次位は日本最高峰の二人用展望個室スイートを持つスロネフ25型、編成中間には展望サロン室「サロン・デュノール」のオハ25型などを連結している。

もちろん食堂車も連結。ダイナープレヤデスと呼ばれるスシ24型。札幌〜大阪を23時間弱掛けて走破する、日本一長い距離を走る列車なのだ。

でも、この色って撮影しにくいなあ。日光は反射しちゃうし、ガラスは全てスモークなので室内は撮影しにくいし・・・
この日は「カシオペア」が運転されていないので、札幌発の寝台特急はこの「トワイライトエクスプレス」と「北斗星」だけ。

さて、「北斗星」の出発時間は17:12なのであと3時間ある。元々はここで苗穂にある立ち寄り温泉に行こうと思っていたのだが、ロイヤルには専用シャワールームがあるのでわざわざ風呂に入っておく必要はない。そこで向かったのが

北海道大学!駅からは7分ほど歩くと到着する。大学の構内とは思えない広さ!なぜ北大に来ようと思ったか?それは

このポプラ並木を見たかったのだ!札幌には3度来たことがあるのだが、このポプラ並木は見たことがなかった。なんでも災害や老朽で倒木してしまったことがあるらしいが、今は復旧も進んで見事な姿を見せている。ただ、老木が多いので並木道自体には立ち入ることはできない。
ポプラ並木の横には北大出身の新渡戸稲造さんの像が!盛岡出身の新渡戸稲造さんなので、何となく親近感かも。
北大の構内には明治時代からの由緒ある建造物などもあるので、歩いているだけで楽しめる。

こんな建物に囲まれていると日本にいる感じがしない
もちろんクラーク博士の像もある!
さて、北海道大学を見学したところで今回の札幌市内見物は終了!デジカメの電池が切れるという事態に見舞われたので、駅に戻って構内のスターバックスで休憩&充電。体も休めないとね〜

4月1日復路:札幌17:12北斗星〜4月2日上野9:38
さて、いよいよ今回の旅のメインイベント!寝台特急「北斗星」の旅がスタート。先述のようにA個室「ロイヤル」の旅にグレードアップしたので、その楽しみも倍増することとなった。
弁当、ビール、夜食用のパン、つまみを買いこんでいざ入線待ち!と思ったら・・・なんと「北斗星」の入線時刻は17:03だと言う!停車時間はたった9分!前日の青森駅での「はまなす」と大違い!これでは車両の撮影時間はないなあ・・・
ずらりと並ぶ軒下案内板などを見て時間を過ごしていると、

いよいよ「北斗星」入線!            駅名板と一緒に撮ってみた            

ブルーの車体に金の帯、これぞブルートレインという姿!「北斗星」に乗るのは初めてだ!

「ブラッディー」が乗るのは10号車12番個室。この車両はA寝台一人用個室「ロイヤル」2室とB寝台二人用個室「デュエット」10室を備える合造車オロハネ24型550番台。JR東日本の所有車。
昔ながらの上野行き字幕
出発まで時間がないので、まずは自分の個室に入ってしまうこととする。A寝台個室には、かつて寝台特急「はやぶさ」の「シングルDX」には乗ったことがあるのだが、はっきり言って シングルDXはA寝台個室としては陳腐だったことは否めない。なぜなら

北斗星の「ロイヤル」はこんなに広いのだ!ソファあり、ベッドも広い、窓はめちゃでかいしビデオシアターや専用空調、食堂車とのルームサービス用直通インターフォンもある。さらに

専用シャワールームにドライヤーも完備。シャワールームは好きな時間に好きなだけ使える。
シャワーを使うときには使用ボタンを押してスタンバイ完了したらシャワーボタンを押せばお湯が出てくる。1回あたり10分を想定しているが、途中で止めておくこともできる。もちろん洗面台も合わせてお湯の温度も調整可能。
シャワールーム内は実に機能的にできていて中央の画像は実は洗面台とトイレ!

このようにどちらも折り畳み式になっていて必要な時だけ引き出して使う。シャワーを使うときにはしまっておくわけ。
しかも排水はうまく下に流れるようになっていて、汚物がはみ出ることはない。
ただ・・・このトイレ薄くできているので、う○こをした時は要注意!こんもりとなった状態でお尻を拭こうとすると、手にう○こがついてしまう(笑)。お尻を浮かして吹く必要があるのでそこだけは難点かも。

シャワールーム内にはコンセントがあり、ベッドリネンはもちろん全て完備している。

個室はカードキーになっている。このカードキーは車掌さんが最初の検札に来たときに渡してくれる。
しかし車掌さんも説明していたのだが、このカードキーが実に使いにくい。揺れている車内で使うのに、カード穴に素早く差し込むというちょっとしたテクがいる。カードそのものも紙でできているので安っぽい。まあ、最後にお土産として持ち帰っていいものなので仕方ないか(笑)

室内灯は調光も可能なので、深夜に室内を真っ暗にして車窓を楽しむこともできる。これは個室寝台ならではの楽しみ。
さて、そんなこんなしているうちに17:12、札幌駅を出発!
出発アナウンスの際に、例のオルゴールが鳴らなかったのはちょっと悲しかった。
発車してしばらくすると、食堂からアテンダントがやってくる。それは
ウェルカムドリンクサービス!
「ロイヤル」の乗客のみに振舞われるもので、きちんとしたグラスで出てくる。もちろん備品以外は持ち帰り可能。ワインとウィスキーミニボトルだけだが、何となく嬉しい。ちなみに朝はモーニングコーヒーのルームサービスがあり、その時間も指定できる。
そういえば、「ロイヤル」にはアメニティグッズのサービスもあると聞いていたのだが、そんなものは見当たらないなあ。ダイヤ改正で廃止になったのかな?などと思っていたら、しばらくして車掌さんが慌ててやってきた。「すみません、アメニティグッズがなかったんじゃないでしょうか?」
どうやら折り返し整備の際に入れ忘れたらしい(爆)

これがアメニティグッズの袋とその中身。もちろん使わずに持ち帰ることとする。
でも、「ソロ」と「ロイヤル」の値段の差が10000円あるとはいえ、これだけの贅沢と満足感を考えれば安いものなんじゃないかなあ。

その辺の室内紹介と列車の編成紹介は備え付のパンフレットに記載されている

イラスト入りで丁寧に書いてあるのでわかりやすい。しかもこの部屋に隠されているギミックを見ているだけでも面白い。メカ好きならば絶対に興奮しちゃう!ちなみにベッドは二人掛けソファとしても使うことが出来て、さらにエキストラベッドを使って二人用としても使うことができる優れもの !試しにやって見たかったが、一人用ソファをどけないとスペースがなくて実現できないみたい・・・。

さて、「北斗星」は千歳を過ぎると北海道の原野やカラマツ林の中を疾走!北海道の雄大さが感じられる景色は最高!
しっかし速い!DD51型ディーゼル機関車が重連で牽引する「北斗星」は客車特急ながら意外と速いというのが「ブラッディー」の印象だった。その分ブレーキの利きも良いので、なんだか「はまなす」よりも乗り心地は悪い気がする(笑)

「ブラッディー」は食堂車での食事は予約していないので、札幌駅で購入した弁当を食べることにする。そう、今の日本の食堂車は予約制なのだ!買い込んだのは札幌駅の駅弁では一番人気の「石狩鮭めし」1080円也!確かに1番人気というだけあってめちゃめちゃ美味い!鮭もいくらもたっぷり入っていて十分満足!
飯のお供はもちろん北海道限定醸造サッポロビール!
昼飯が早かったこともあってあっという間に平らげてしまった(笑)

腹ごしらえも終わったし個室内のレポートも終わったということで、いよいよ列車内散策に向かうことにする。
この「北斗星」はJR北海道とJR東日本の混成で編成されている。1号車〜6号車はJR北海道が担当、7号車〜11号車と電源車はJR東日本が担当している。かつてはJR北海道、JR東日本とも自前のフル編成12両で運転され、2往復(最盛期は3往復)あったのだが、数年前のダイヤ改正で北海道新幹線工事のための走行時間制限で統合されてしまったのだ。
では函館方先頭車の1号車から紹介しよう。(翌日撮影の画像も含む)
1号車はBコンパートのオハネフ25型
通常の開放式2段B寝台と同じような構造なのだが、4人でワンボックス使うときには通路側の仕切りを閉めて個室にすることもできるのだ。グループ旅行などでは便利かもしれない。値段もB寝台料金と同じ6480円/1人。
2号車はは開放型B寝台オハネフ24型500番台
この車両は一般的な開放式2段B寝台車。昭和48年に2段寝台がデビューした時のままの姿。但しこの車両は中間車オハネ24型からの改造車で、車掌室の位置や車両端がそのまんま中間車という珍車で、JR北海道に2両しか存在しな い車両。
だから中間車っぽいのに扉にはテールマークがある
3号車と4号車はB寝台2人用個室デュエットのオハネ25型560番台

2階建て構造の寝台個室が凸の字の上下組み合わせで配置されている。空間をうまく生かした構造になっている。左が上段個室で右が下段個室。料金は開放型B寝台と変わらない。

個室寝台ながら3,4号車には折りたたみ椅子が通路にあるのも特徴。そういえばJR北海道の個室寝台は10キー式暗証番号キーになっていて、こちらは使い勝手が良さそう!記念品はないけどね。札幌で車掌さんが言っていた使い勝手の悪さってのはこれと比較していたわけだ。
ま、札幌から青森までの車掌さんはJR北海道の担当だから、自社のほうがいいって言うにきまってるかな?
5号車と6号車の一部はB寝台一人用個室ソロ
5号車はオハネ25型550番台で6号車はスハネ25型500番台。
こちらが5号車のオハネ25型550番台
こちらが6号車のスハネ25型500番台
改造年次が違うので若干内装に差があるが基本的に同じ。一人用個室ながら開放型B寝台と料金が変わらないので、B寝台では最も早くチケットが売り切れるらしい。
そして6号車がオハネではなく、重量が1ランク上のスハネとなっている理由がこれ
車端部にあるシャワールーム
ロイヤル以外の乗客はこのシャワー室を利用するわけ。しかし2室しかないので当然競争率は高い。利用券は食堂での販売となっていて、時間指定予約になっている。
そして6号車にはさらにこのロビー室がある
B寝台個室は結構狭いから息が詰まるし、大型モニターで映画も見られるのでいつもけっこう賑わっている。自動販売機があるのはこの車両だけ。ここまでがJR北海道の車両になる。
7号車は食堂車グランシャリオのスシ24型500番台
ここからがJR東日本の所有車両。JR北海道がB寝台を中心にした「量」を担当しているのに対して、JR東日本は食堂車やA寝台車と言った「質」のほうを提供している感じ。
もはや食堂営業している夜行列車は「北斗星」「カシオペア」「トワイライトエクスプレス」の3往復のみになり、3列車とも夕食は予約制になってしまったので利用すること自体が貴重なものになってしまった。
ちなみにスシ24型は元々24系客車の食堂車ではなく、485系特急型電車の食堂車サシ481型からの改造車。本家の485系特急電車では20年以上前に食堂車が消滅しているのに、客車に改造されたスシ24型が生き残っているのは皮肉としか言いようがない(笑)
ちなみに食堂車の営業時間はこの通り
予約夕食終了後の1時間強はパブタイムとして一般に開放されるので「ブラッディー」はその時間に行ってみることとする。その模様は後程!
朝食は予約なしで食べられるが、値段も高い!
ちなみに食堂車の厨房横は側廊下式になっている
8号車はA寝台二人用個室ツインDXのオロネ25型500番台
ちょうどBコンパートの片側2段分を居室にしたイメージ
但し2段ベッドだし、洗面所やシャワールームもないのでA寝台車としてはあまり魅力を感じない。これならB寝台の2人用個室デュエットを使ったほうがコストパフォーマンスはいいのではないだろうか?

9号車はA寝台一人用個室ロイヤルとB寝台一人用個室ソロの合造車。
左がロイヤルの側廊下で右がソロの側廊下。10号車と違って完全に車両が2分割された構造なので、通路中央にも扉がある。
ちなみにA寝台車は通路の扉がすべて自動扉になっている。ロイヤルの室内は「ブラッディー」の乗る10号車と同じだが、ソロはJR東日本車ということで5,6号車のJR北海道車 とは若干構造が違う。
これが9号車のソロ
5,6号車よりも上段個室は若干狭いかも
アプローチ方法もかなり違う。
JR北海道車が側廊下からそのまま入る方式なのに対して、JR東日本車は上段に向かって2部屋ごとの階段がある。この辺は会社ごとに設計者が異なるので面白い。
10号車は「ブラッディー」の乗る車両
A寝台一人用個室ロイヤルとB寝台2人用個室デュエットの合造車オロハネ24型の550番台。面白いのはロイヤルの位置。9号車が車端式に対して10号車は中央配置式。よって側廊下に クラス別の仕切りはない。

デュエットは「北斗星」誕生時に既に九州行き寝台特急「あさかぜ」に採用されていた構造を踏襲しているので、JR北海道車の3,4号車との構造差はあまりない。内装が若干異なる程度になっている。
11号車は開放型B寝台オハネフ25型200番台

2号車と同じ昔ながらの開放2段寝台ながら、内装色などが若干違う。

各車共通の装備として、6,7号車以外は車端部分に洗面所とトイレが設置してある。洗面所にはコンセントもあり、トイレは和式と様式と多様。
製造当時のものはなく、すべてリニューアル改造されたものになっている。
そして最後尾には電源車カニ24型500番台が連結され、客室内の電気を供給するためにディーゼル発電機がうなりを上げている。

ということで延々と紹介した12両は全ての車両がどこかしら異なるというバラエティ溢れる形態で興味は尽きない。
ちなみにスシ24型とカニ24型の話をした時に、「BG」さんが「さすが北海道に行く列車だ!スシとカニなんだ!」と言っていたのを思い出して一人で笑ってしまった。

さて、夕刻に差し掛かり

列車の左側には太平洋、右には洞爺湖方面を望みながら函館を目指す。この間に「ブラッディー」は買ってきたビール3本をすべて飲みきってしまった(笑)
函館到着直前の21時過ぎ、食堂車からパブタイム開始の案内放送が入る。待ってましたとばかりに食堂車に向かうと
げ!結構混んでる!
結局4人席しか空いていなかったのでそこに座り、すぐに相席を頼まれた

「ブラッディー」は生ビール650円とソーセージ盛り合わせ850円を注文!しかし生ビールはあっという間になくなってしまい、さらに2杯注文!結局2800円も払う羽目になってしまった。でもいいのいいの、食堂車で食べたり飲んだりする機会なんてそうないんだから!
「ブラッディー」と相席になったのはおばあちゃん、お母さんと息子の3人連れ。どうやら小学生の息子がディズニーランドに行きたがって今回の旅行になったらしい。息子は列車が好きなようなのだが、母親とおばあちゃんでは列車のことなどは何もわからない。つまらなそうだったので「ブラッディー」が話し相手になってあげることとした。
ちょうど列車が函館に到着するところだったので、函館では列車の進行方向が変わることや、青森でもう一度変わることなどを説明してあげたら、妙になつかれてしまった(笑)

ちなみに「北斗星」は函館到着までに13分の遅れ。これは交換する列車の遅延に伴うもので、この遅れの挽回のために函館到着は5分と短縮されてしまった。機関車交換を見たかったのだが、せっかく食堂車にいることもあってそのまま居続けることとした。

さて、函館を出発するとパブタイムも終わりに近づいてきたのでそろそろ退散!
ロイヤルの室内で青函トンネルを静かに楽しむ
動画も撮影したのだが・・・正直言ってよくわかんねえ動画になっちゃった。まあ世界一長いトンネルを通ったってことで良しとする。
青函トンネルを抜けて30分ほど走ると青森に到着。しかし深夜帯なので停車してもドアは開かず、機関車交換だけ。そこで再び先頭となる1号車に行ってみると

げ!やたら混んでる!そう、皆さん牽引機関車のEF210型500番台が連結されるのを待っているわけ。
「ブラッディー」は連結されるのを見られればいいので撮影場所は皆さんに譲って見学。
そういえば左の画像のメガネの人は、「ブラッディー」と同じく昨日の「はまなす」のカーペット車に乗っていたのだそうな!類は友を呼ぶのか?
さて、「北斗星」は青森を定刻に出発し、ここからは深夜帯を走る。さすがに「ブラッディー」も眠くなってきたのでここで撃沈zzz
ロイヤルのベッドの寝心地は・・・そりゃ「はまなす」のカーペット車とは比較になりませんな。

翌朝、目が覚めたのは仙台だった。時刻は5時。しかし時刻表と比べるとなんかおかしい
やっぱり!10分くらい遅れてる!
後で知ったのだが、途中で異常検知無線が鳴って緊急停止したという事件があったそうな。そんなことは全然知らねえ。
仙台で目覚めたということは、もしかしたら有名な船岡の桜が見られるかもしれないと思ってワクワク待っていたのだが

さすがにまだ咲いてない・・・笑

でもこんなに綺麗な朝日が見られた!      これってハロ虹色現象っていうやつかな?

福島直前では雲が眼下に見える幻想的な現象も!これには絶句

さて、7時に予約したモーニングコーヒーだったのだが、早起きしてしまったことと、前日に購入したパンがまだ余っているということもあって、早く持ってきてもらうことに。食堂車は6時半から開店しているので、ロイヤル個室内のインターフォンからルームサービスを頼む。う〜ん、普通の宿でもルームサービスなんて使ったことないぞ(笑)

そして届けられたのがちゃんとカップに入ったコーヒーと今朝の朝刊!しかも東京版!小保方さんの話題が1面に!
ルームサービスを届けられた際に、昨夜のウェルカムドリンクを片付けてくれたのだが、「ブラッディー」が飲まなかったワインは差し上げますとのこと。
なんとワインオープナーも頂けるんだそうな!
でもこのワイン、「おたる」って書いてあるのは百も承知なんだけど、「おるた」って読んでしまうのは私だけ?
食事も済んだし、コーヒーで目覚めたところでシャワーを浴びて(これが特権!)、朝の車内散策に出かけることとする。

まずは先頭まで行って昨夜よく見えなかったEF510型電気機関車を見物!今日の牽引機は515号
食堂車は大賑わい!でもモーニングが1500円とかするらしい

6号車のロビーカーは意外と空いていた。みんな寝ているのかな?このソファは確かにすわり心地がいいかも

車窓には新緑の那須の景色が広がる      尾久客って書いてある号車札って、今では珍しいんじゃないかな
宇都宮までに遅れを取り戻した「北斗星」は定刻運転で終着駅上野を目指す。
東北本線は直線の多い高速路線なので、「北斗星」も最高速で突っ走る。
「ブラッディー」はロイヤルの室内で通勤通学客の好奇の目にさらされながら平然とした表情を装う。これ、結構恥ずかしいのよ。
宇都宮以南では桜も満開!ロイヤルから見る桜は最高の花見だね〜
大宮を過ぎ、赤羽を通過すると上野はもうすぐ。車掌さんの最後のアナウンスは例のオルゴールの後に「まもなく、終着駅の上野です・・・」から始まる。「終点」ではなくて「終着駅」。この差は大きいなあ〜。
消え去ってゆくブルートレイン最後の旅は、「北斗星」が上野駅13番線に定刻9:38到着で幕を下ろした。

最後尾を飾るカニ24型              ブルーの車体とホーム

夢を届けた食堂車                 JR北海道のエンブレムが上野で見られるのもあとわずか
さすがに老朽化が隠せない

星の寝台特急って呼ばれてたな         ヘッドマークもなくなってしまう
「北斗星」よ永遠なれ
上野駅頭端式ホームと共に

今回でブルートレインに関する旅行記を書くのは4回目。夜行列車がらみでの旅行記を合わせると8回目になります。
しかし、過去に書いた旅行記に登場した夜行列車のうち、廃止されたものが4本!ブルートレインに至っては過去に書いた旅行記の列車はすべて廃止の憂き目にあっています。
毎回夜行列車廃止の時にマスコミも鉄道マニアもフィーバーしますが、フィーバーするくらいなら日頃から乗っておけばいいのにと思います。
今回の旅にしても、盛岡から川越までただ帰ってくるだけで新幹線では14000円するのです。もし、「北斗星」をB寝台で利用していたら、乗車券と特急、急行券、寝台券を全部合わせても30000円強しかかからないのです。
時間が取れないというのがあると思いますが、弾丸ツアーならプラス2日しかかかりません。それでこれだけの観光をできてしまうというのは素晴らしいと思いませんか?
結局寝台列車は定期列車としてはあと2年ほどで全廃されてしまうでしょう。幼いころにあこがれだったブルートレイン、乗っておくだけでも心が豊かになると私は思ってます。

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