Bloody's Tea Room
Team SPIRITS Web Master 「Bloody]の趣味の世界へようこそ

2018/02/18 15:32更新 

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〜[ブラッディー]の一人電車でGo!茨城交通編〜
 

9,10月は遊んでばっかりの「ブラッディー」。3連休締めくくりの10月7日(日)は再び電車のたびを敢行!
今回は茨城にある茨城交通湊線と言う地方ローカル私鉄に行って見ることとした。この茨城交通は国鉄払い下げのディーゼルカーが活躍している路線。但し、地方ローカル線の大きな悩みである旅客離れによる赤字のため、廃止の危機が迫っているのだ。
そんな旅客離れを何とか取り戻そうと、国鉄の気動車色を復活させて走らせるという策に出たこともあって、最近は鉄道マニアを中心に観光客がこの路線を使うようになってきたのだとか。
実は15年ほど前にもこの路線を訪れたことがある「ブラッディー」。前回は車で訪問したのだが、今回は「地方ローカル線の旅」と銘打って電車で出かけることとした。

自宅出発〜往路(川越線ー東北線ー水戸線ー常磐線)

もちろん「ローカル線の旅」なので、王道を行く路線は使わないのが常識!
茨城交通湊線の出発駅である勝田までは、本来一度上野に出て特急「スーパーひたち」や「フレッシュひたち」を利用すれば2時間ほどで行けるのであるが、「ブラッディー」はなんと川越ー大宮ー小山ー友部ー勝田というルートを選択。
もちろん全て各駅停車の旅である。
今回の行き先である勝田は東京近郊区間の駅なので、Suicaを利用することが可能。よってSuicaにあらかじめ5000円ほどチャージして準備万端!

川越駅からはまず7:34発埼京線快速新宿行きに乗る。この電車は205系の10両編成。別に何の変哲もない通勤電車である。従って何の感想もなく、大宮までは熟睡zzz
埼京線205系電車。朝日がまぶしい
大宮に到着すると、続いては8:04発宇都宮線(東北線)各駅停車小金井行きに乗り換え。ちなみに「宇都宮線」という呼び方は「呼称」であって正式名称ではない。正式名称は「東北本線」。余談になるが、「京浜東北線」も正式には大宮ー東京が東北本線、東京ー横浜が東海道本線、横浜ー大船が根岸線というのが正解。「山手線」も正式には駒込ー新宿ー品川の区間だけの名称なのだ。

話が脱線したが、宇都宮線小金井行きはグリーン車2両つきE231系1000番台の15両編成。湘南新宿ラインと同じ車両。と言うことはもちろん「ブラッディー」はグリーン車に乗る!
なんと1両貸切!
貸切のグリーン車で朝日を浴びてゆったりくつろいでいる時間はとても気持ちいい。まあ、日曜日の朝に下りグリーン車に乗っている人なんかまずいないよね〜。
思いっきり贅沢を味わっていた「ブラッディー」であったが、小山の一つ手前である間々田駅で普通車に移る。なぜか?
実は大宮ー小山間の距離が50kmを超えてしまうため、グリーン料金が200円高くなってしまうのだ。でも大宮ー間々田間では50km以下。従って200円ケチったというわけ(セコい!)
んで、普通車に移ってみたら・・・
結局ガラガラ(爆)
E231系は4つドアの通勤電車なのであるが、長距離客を想定したボックスシート車を組み込んでいるのが魅力。もちろん一駅だけ庫のボックスシートに座る。すわり心地は・・・ちょっと固いかな?
ここまで乗ってきたE321系1000番台宇都宮線
小山駅に到着し、水戸線の時間を調べると・・・・なんと40分も待たねばならぬ・・・。この間、何もすることがなくて駅をブラブラする「ブラッディー」。まさに「ブラり旅」・・・爆

そしてようやくやってきたのが水戸線9:34発友部行き。
この電車は415系1500番台の4両編成。
ちょっと前までは常磐線の本線で堂々の15両編成で上野に顔を出していたこの電車、新型のE531系に交代して現在ではこのローカル線で余生を過ごす。ちなみに水戸線は交流電化区間ゆえ、この電車は交流と直流の両方の電源で走ることが出来る交直流電車。屋根上の特高機器類がすごい!また、制御方式は昔の抵抗制御なので、モーター音が勇ましい。
でも、車内は首都圏乗り入れの通勤仕様なのでロングシートが並ぶ。もうちょっと観光的雰囲気が欲しいところ・・・。
ようやく発車した水戸線、単線ローカルゆえなんだかのんびりした雰囲気。小山を過ぎてしばらく経つと田園風景が広がる。
う〜〜ん、ローカル線の旅っぽくなってきた〜
途中の下館駅では真岡鉄道という第3セクターの鉄道と接続。ここはSLを走らせていることも有名な私鉄。ちょうどSL列車が入線するところに遭遇したのだが、残念ながら画像は失敗!まあ、次回でも行って見るか〜
ガタゴトと揺られること約1時間で常磐線との接続駅友部に到着。そして今回は接続時間2分で慌しく乗り換え。
次に乗車したのは10:43発勝田行き
やってきたのはE501系電車10両編成
この電車もこの前まで上野に顔を出していた通勤電車なのであるが、後発のE531系に追われて今は常磐線の取手以北を受け持っている。
「ブラッディー」はこの電車に初めて乗ったのであるが、驚いたのはその音!ドイツのシーメンス社製VVVF装置を搭載しているので、ちょっと他のJR車両とは違う音で走るのだ。そのイメージは「ドレミファソ・・・・」。なんとも軽やかないい音がする。ちなみに同じ制御装置を搭載しているのが京浜急行。京急も同じように軽やかな「ドレミファ・・・」が聞けるので、是非お試しあれ!
この電車に揺られること20分で勝田に到着!

勝田駅は水戸の一つ先にあり、ここには常磐線の電車区がある。よって駅の構内には留置されている珍しい車両もたくさんある。
この日はお座敷電車「リゾートエクスプレスゆう」が停車中。これ、貸切にしてのんびり電車旅ってのもいいなあ〜
485系リゾートエクスプレスゆう

茨城交通湊線

勝田到着と言うことでいよいよ目的のローカル線「茨城交通湊線」に乗り込むこととする。発車時刻は11:24.
茨城交通湊線の乗り場はJR勝田駅の構内にあり、なんと湊線が1番線!JRが2番線から4番線を使っている。
そのホーム入口には改札があるのだが、ここで切符を買うことが出来ない!「ブラッディー」はSuicaで乗車してきたので、一度勝田駅の外に出て、改めて切符を買いなおさなければならないのだ!ここにはせめて乗り継ぎ用のSuica精算機が欲しいところ・・・。

茨城交通湊線の終点は阿字ヶ浦なのであるが、事前のチェックによって沿線中間駅の「那珂湊(なかみなと)」駅が風情満点と言うことで「ブラッディー」はその那珂湊まで乗車することとする。料金は350円。高いけど仕方ない!

ようやくやってきた11:24発のディーゼルカーは・・・
げ、新しいのが来た!
このディーゼルカーはキハ3710型と言う冷房付きロングシートの車両で、茨城交通での最新鋭車。お目当ての古いディーゼルが来なかったのでちょっとがっかり。まあ、気分を入れ替えて乗り込む。
勝田駅を発車したディーゼルカーは、単線の田園風景の中をのんびり走る。もちろんワンマン運転なので各駅に停車すると運転手さんが車内に出てきて改札を実施。駅は線路がまっすぐ伸びているところにぽつんとホームがあるって言う感じでホント風情がある。
これ、途中の中根駅。駅前には何にもない
全部でたった9駅しかないこの路線、あっという間に那珂湊駅に到着。
那珂湊駅は勝田ー阿字ヶ浦間のちょうど真ん中にあり、茨城交通の要所。車庫もここにある。従って上下の列車はここですれ違いを行う。
那珂湊駅に到着して反対のホームに止まっている列車を見ると・・・
おおっ!これこれ!
「ブラッディー」が今回お目当てにしていたのがこのキハ20型気動車205号。国鉄のキハ20型ラストナンバー522号車を水島臨海鉄道が購入。その後、茨城交通が水島臨海鉄道から購入した車両で、なんと言っても昔の国鉄色というのが懐かしい。
ここでいきなり上りに乗り換えてももったいないので、まずは写真を撮るだけにとどめておく。

ところで・・・この那珂湊駅の構内は車庫を備えているためいろいろな車両が見られて楽しい。
列車から降りた「ブラッディー」は早速駅の構内を散策。他のお客さんはさっさと駅を出て観光に向かってしまったのだが、一人で駅の中を歩き回り・・・。では、ここで見た貴重な古い車両をお目にかけよう

こちらはキハ22型。左の色は旧国鉄準急色。右は横須賀色。もともとは茨城交通のオリジナル色だったのであるが、鉄道ファンを集客するために昔の塗装を復活させたのだ。これによって湊線を訪れる観光客も増えたのだとか。

左は同じキハ22型でもこちらは茨城交通オリジナル色。このキハ22型は9月に開催されたイベントの際に4両編成で運行されたのだそうで、当時のまま留置されていた。
右は小さなディーゼル機関車。すごいのはこのローカル線でも貨物が走るの?と言うこと。妙に味がある。

駅構内のイメージ。風情満点!特に駅近くの踏切から写した右の画像はタイムスリップしたみたい!

車庫には廃車になった(のかな?)の車両が多数放置されていた。こちらはキハ20型の202号と203号。
205号が国鉄色になって矍鑠と走っているのとは大きく違うこの待遇・・・203号は液体変速機(オートマチックミッション)が下ろされてしまっていたのでもう走ることは出来なそう・・・

こちらは廃車になった後で倉庫に使われていると思われるケハ601号。確か昔は北海道のほうを走っていたと思うんだけど・・・。地方ローカル線の車両なのにステンレスって言うのがすごい!

那珂湊駅の佇まい。鉄道の駅100選に選ばれているという風情ある駅舎。駅前にいると昭和45年くらいのイメージ。開業90周年と言う歴史を持つのだそうな。
一直線の線路!電化されていないので線路があるのを忘れそう・・・
駅構内散策を一通り終え、腹が減ったということで駅前の食堂へ。ちなみに駅前に食堂は1軒しかない!
これがその「日の出屋」さん
店に入ってみると・・・客が誰もいない。おかみさんと息子さんだけでやっているお店らしい。
海が近いので海の幸の定食なども食べられるが、中華もあるし和食も洋食もある。要は街の大衆食堂。これがイイのよ!
ってことで「ブラッディー」は鉄火丼を注文
料理の出来る間、おかみさんが湊線のことをいろいろ話してくれた。
どうやら2008年3月に廃止と言う決定が一度なされたらしい。沿線にはお年寄りや高校生が多く、みんなこの列車がなくなると通学や通院に行く足がなくなって困ってしまう。そこで町おこしならぬ鉄道おこしを沿線住民でやっているそうな。

応援団を結成して、みんなで作ったうちわ。絵は沿線住民の方が描いたのだとか。裏には応援歌の詩が書いてあり、このCDは那珂湊駅で売っている。TVで取り上げられることも多くなり、数々の芸能人が取材に来たりしているのだそうだ。
ところが、CM撮影などに来る芸能人は、街の人が「一緒に写真を取って飾らせて欲しい」と言ってもNGで、そそくさと撮影を済ませて帰ってしまう人も多いのだそうな。この風情ある風景だって、鉄道がなくなってしまえば撮影できないのに・・・
そんなこんな話しをしていると鉄火丼がやってきた!
たっぷりマグロが乗って1000円
おかみさんとの楽しい話と、海の近くで食べるマグロの味を堪能した「ブラッディー」はいよいよ12:51発の列車で勝田へ向かう。

那珂湊駅で切符を買う際、窓口では「硬券」を売っているということなので買ってみた
昔懐かしい硬券!

そして12時50分、お目当てのキハ205がやってきた!鉄道ファンの姿もかなりいて、駅はカメラを構える人多数!

来た来た〜                     さあ、乗りましょう!
列車の中にはお客さんもまばら。でも昼間のこの時間で20名ほど乗っているというのは立派な実績では?
これが車内
昔懐かしい国鉄のにおいがするようだ。もちろん冷房などはない。扇風機を動かすためのボタンが車内にあって、乗客が自分で動かすことが出来る。「ブラッディー」はもちろんボックスシートに着席。
このディーゼルカー、キハ20型は約50年前に設計された直列8気筒のディーゼルエンジンを搭載。なんとたったの170馬力!今の車の馬力を考えると信じられないほど非力・・・
でも8気筒エンジンのうなり音はめちゃめちゃ懐かしいかも!
沿線にはカメラを構えている人の姿も多いし、結構途中駅でも乗り降りする。なんとかこのローカル線を存続して欲しいものだ。
走ること15分ほどで終点の勝田に到着。風情のあるローカル線のたびはここに終了。妙に童心に帰った経験であった。
勝田到着!いつまでも走り続けて欲しい

帰路
さて、その後秋葉原に用事のあった「ブラッディー」は、勝田から直通の上野行き各駅停車に乗ろうと思ったのだが・・・なんと直通は1時間後までない・・・
乗り継ぎながら行くにも、最新鋭の車両で行ったってつまらないし・・・

と思っていると、なんと13時20分発の特急「スーパーひたち」号があるという。ここは奮発して特急に乗ってみるのもいいかな?と持って自由席特急券を購入。早速乗り込む。
スーパーひたち号、初めて乗った
この「スーパーひたち」号は、なんと勝田から上野までの間で水戸しか停車しない。まさに「スーパー」かも!スピードはガンガン出すし、乗っていて気持ちいい。
途中の水戸で見た面白いもの
どうやらハンドル訓練用の車両らしいのだが、E531系とE501系のデザインで可愛い。なんか電車チョロQみたい・・・

水戸からノンストップで上野までということで、その間は何もすることがないのであるが、一つだけメカ好きにはたまらないポイントがある。それは藤代ー取手間の交直流切り替えデッドセクションの通過。
常磐線は上野から取手の間が直流1500Vで電化されており、これは山手線などと同じ電化方式。ところが、取手から先の藤代以北は交流20000Vで電化されているのである。
これには理由があって、直流で電化してしまうと筑波の地磁気観測所に磁界の影響が大きく出てしまうのだそうな。そこでどうしても取手以北は交流にする必要があるわけ。同じ理由で最近開業した「筑波エクスプレス」も守谷以北が交流電化になっている。
んで、この切り替えセクションでは、電車は一度全ての電源を切ってデッドセクションを通過し、セクションを越えた先で電源を再び入れなおすという儀式があるのだ。
乗っていると、一度車内の電気が全て消え、惰性で運行した後にもう一度電源再起動の音がして再び電気が点灯する。
昼間だったので他のお客さんは気がつかなかったみたいだが、夜だと「何事?」と思うかもしれない。

ということで上野に到着したのは14:35.朝早くから電車乗りまくりの一日。これでかかったお金が昼食代、電車代含めて全部で8000円くらい。ちょっとした旅行気分も味わえるし、癖になりそうだ〜

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