Bloody's Tea Room
Team SPIRITS Web Master 「Bloody]の趣味の世界へようこそ

2018/02/18 15:32更新 

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〜[ブラッディー]の 一人電車でGo!碓氷鉄道文化村編〜
 

今年の9,10月は3連休の連発!そんなとてもおいしいお休み続きの9月24日(月・祝)、「ブラッディー」は兼ねてから画策していた横川の「碓氷鉄道文化村」に行って見ることとした。
横川駅の隣を走る国道18号線はSpiritsではおなじみの国道。もちろん碓氷バイパスはツーリングの定番コースだし、横川の「おぎのや」は集合場所としてもかなり使わせてもらっている。いつもは車の車窓から見ていた鉄道文化村、一度は行ってみたいと思っていた。
そして鉄道関係の施設に行くんだから、交通手段はやっぱり電車でしょう!ということで、一人各駅停車の旅と洒落こんでみることとした。
生憎ちょっと小雨に見舞われたこの日の模様をレポートしてみることにする。

自宅出発〜往路(川越線ー八高線ー信越線)
各駅停車で行くとなるとやはり朝早く出発せねばならぬ。ということで、前日に行程を確認しておいた「ブラッディー」は、川越発6:12の川越線八王子行きに乗ることとした。ちなみに今回調べてみてわかったのであるが、川越から高崎まで行くには、大宮回りの高崎線経由よりも高麗川回りの八高線経由のほうが料金も安いし時間も早いのだ!これは以外に知られていない事実では?
ちなみに横川駅は[Suica]未対応駅(東京近郊区間から外れている)なので、あらかじめ切符を買っておく必要がある。

川越駅から乗った6:12発高麗川経由八王寺行きの電車は209系3000番台の4両編成。この電車は全国でもこの区間だけに配備されている209系通勤電車のボタン開閉ドア装備車で総勢5編成20両しかない。
同じ川越線でも都心に向かう10両編成の205系とは大違いのローカル電車。いきなり「旅」って感じが漂う。
209系3000番台電車
車内はガラガラで出発した電車は、単線の川越線を上り電車と交換しながらのんびりと高麗川に到着。所要時間20分ちょっと。これでも車来るより早いかも!
高麗川に到着してから、なんと乗り継ぎ時間が20分以上もあることに気づく「ブラッディー」。もしかして次の電車でも間に合った・・?

とうことで駅構内を散策。↑の画像は構内で見つけた看板2種類。
「高麗川」駅の駅名表示は国鉄時代と同じもの。この形の駅名看板って最近見かけないと思わない?
そして運転手に向かって掲げられている右の看板。「身なりは正しく」・・・そのとおり!身だしなみが印象を良くするのであるよ〜。

高麗川駅で待つこと30分(ちょっと列車が遅れてた)、ようやく6時59分発の高崎行きが到着。そしてこの列車、なんとディーゼルカー(気動車)!!ちなみに東京近郊区間のJR線でディーゼルカーが走っているのはここと千葉県の久留里線だけである。
エンジン音も勇ましく、電化されていない区間を高崎まで行くのだ。

これが高崎行きキハ110系気動車2両編成とその車内。
郊外列車らしく、座席はボックスシートも装備。一人がけと二人がけがあるので、「ブラッディー」は迷わず一人がけボックスシートを占領。高麗川から高崎までの所要時間は80分強。新幹線なら東京から豊橋まで行ってしまう時間である。
床下から轟くエンジン音と軽油燃焼特有のにおいを感じながら、キハ110系は高麗川を出発!

駅周辺以外はのどかな丘陵区間
川越からたった20分でこんなのどかな景色になってしまうというのが驚き!ボックスシートに座っていることもあって「旅」の気分満喫!心なしかウトウトしたりして・・・。
もちろん八高線も単線なので、途中駅ですれ違いのために長時間停車したりしてのんびり進む。でも、このキハ110系、力行するとかなりの加速感がある。 それもそのはず、この気動車のエンジンは水平対抗12気筒ターボ付きの440馬力!フルスロットルで上りを登ってゆく時などは妙に「頑張れ」とか思ってしまう(笑)
北藤岡駅を過ぎると高崎線と合流。線路を共用している関係で、高速の電車列車に負けない最高速100kmほどで飛ばし、高崎駅に定刻の8:26到着。

高崎駅では慌しく信越線の電車に乗り換える。ここは1本逃すと1時間電車が来ないのである。
んで、乗ったのは8:37発の横川行き。電車は107系100番台電車の2両編成。この電車はJR初期に余剰となった急行型電車の機器流用で作られた電車。主に日光線と高崎付近のローカル線 で使われている。もともと急行型電車で使われていた台車などを使っているので、乗り心地はいい。でも、車内は通勤電車そのもののロングシートであり、景色を楽しみたいと思っている「ブラッディー」はちょっとがっかり。 やっぱりボックスシートの電車が良かったなあ・・・。
ちなみにこの電車、びっくりしたのはドアを「手で開ける」のだ!ドアに取っ手が付いていて、お客さんが自分で「ガラガラ」と開ける。閉めるときは自動で閉まるんだけど・・・。
107系100番台電車
信越線は北陸(長野)新幹線開通前はれっきとした本線で、高崎を基点に長野を経由して直江津、新潟に至る路線だったのである。
新幹線開通の影響で横川ー軽井沢間の碓氷峠が廃線となり、高崎ー横川のローカル線となってしまったのだ。
ちなみに軽井沢ー長野間は「しなの鉄道」という第3セクター化されてしまったので、北のほうには長野ー新潟間にまたまた信越線があるという変な路線になった。
もともと本線として長距離の特急、急行列車が行き交った路線に通勤電車の2両編成だけしか走っていないのは寂しすぎかも・・・。

高崎を発車した電車は、全力疾走で横川へ向かう。本数も少ないし複線電化されているからがんがん飛ばす!「ブラッディー」向き(笑)。しかも車体は新しいけどモーターは古い急行用 。従って最近の電車のような軽い音ではなく、ものすごく勇ましい音がする!(このうなりは結構好きかも)
突っ走ること30分ほどで終点横川に到着。昔は峠越えのための機関車がたくさん留置されていた広い構内に他の車両はなし。駅も半分だけ残っている状況で妙に寂しい・・・。

駅構内にあるジオラマ               駅名看板は有名な「めがね橋」の写真

昔ながらの駅弁も健在!              駅舎 なんとも佇まいがGood!

峠の機関車EF63型の動輪が飾られている   軽井沢側から見た駅全景
駐車場にはかつての線路がそのまま残されており、その上からアスファルト舗装されている。もしかして将来の復活とかあるのかな??
文化村脇には旧線路跡をそのまま使った遊歩道「ウォーキングトレイル」の基点がある。ここからハイキング気分で歩いて行くと有名な旧線の「めがね橋」まで行けるのである。
霧雨がちょっとひどくなってきたので、駅前のおぎのやで傘をゲットし(駅前におぎのや売店がある。ちなみに国道とは反対側)、いよいよ碓氷鉄道文化村へGo!横川駅からは歩いて1分!
入場料を見ると、文化村500円、トロッコ列車片道500円、トロッコ列車の終点である「峠の湯」の入浴料600円。
それをセットにしたチケットがあるということで、「ブラッディー」はそれを1300円で購入。300円お得!

碓氷鉄道文化村&峠の湯

園内に入ってみるといきなり飛び込んでくるのが特急「あさま」に使われていた189系電車。屋外展示なのでちょっと色あせている感はあるけど、昔の国鉄特急色のまま。しかも車内&運転台にも入ることが出来る。ということで早速潜入捜査開始!
特急電車クハ189型

車内は現役当時のまま保管されている。椅子の回転も出来るしリクライニングも出来る。でも・・・狭いなあ。湘南新宿ラインのグリーン車のほうが座り心地がいい!
運転台は初めて座ってみたけど、めちゃ狭い!特に頭上のスペースは全くなし。立てない!

そしてその隣には「鉄道展示館」がある。ここは、かつての横川機関区の検修庫をそのまま利用していて、なんだか今にも機関車が動き出しそう!薄暗い庫内はなんだか「探検隊」みたいで楽しい!
EF63型機関車
この機関車こそ横軽(横川ー軽井沢間のこと)の主と言われた名機。国鉄最急勾配を走るための補助専用機関車で横川ー軽井沢間だけのために作られた機関車なのだ。
横川ー軽井沢間には6.67%というJR最急勾配区間があり、電車も気動車も自力では登坂できなかった。そのため、ここを走る全列車は必ずEF63型機関車を上野方に2両連結して、上りは押し上げ てもらい、下りは速度を抑えてもらいながら上下していたのだ!

そしてこれがEF63型の運転台。189系特急電車よりも居心地が良いかも・・・笑
多数並んだ計器類は、メカ好きの心をくすぐりますなあ〜

こちらはEF62型機関車。客車列車や貨物列車の場合はこのEF62型が本務機となって、前述のEF63型をさらに2両補機として従え、3重連で運転していたのであった。ちなみに機関車の台車をこんな近くで見たのは初めてかも・・・。
こちらは機関庫の一番奥に保存してあったED42型1号機
ED42型はEF63型の登場前に峠の補機として活躍していた機関車。
碓氷峠が最初に開通したとき、勾配を上り下りする方法として「アプト式」という珍しい方法を使って運行していた。「アプト式」とはラックレールに機関車の歯車を噛み合わせて、滑らないようにして登る方法のこと。ED42型はその「アプト式」の装備を持ち、ここを走る全列車の補機を 努めていた。
最初の開通時から導入されていたアプト式であるが、速度が制限されてしまうことや複雑な機構による故障もあって、複線化の際に新たな新線を建設して廃止、後任のEF63型にバトンタッチしたのだ。

ちなみに探検隊としてはこんなものも庫内で発見!
パンタグラフってでかい!

続いて向かったのは「鉄道資料館」。碓氷峠にまつわる歴史などの展示、売店などがある。
入口を入ってすぐの売店で売っているものに後ろ髪引かれながら、ここはぐぐっとこらえて資料館内を探索。
この資料館、鉄道好きや模型好きにはたまらん!なぜって・・

HOゲージの巨大レイアウトあり!          碓氷峠のジオラマあり!

ヘッドマーク展示あり!              最急勾配標識あり!
EF63型のシステム配線図あり!
特に「ブラッディー」はこのEF63型の配線図には興味津々。何と言っても電気の技術屋だからね〜〜

資料館を後にした「ブラッディー」は再び屋外へ。
実はここからが一番のメイン展示!広大な敷地内には懐かしい車両がずらりと並ぶ屋外展示場がある!
では、その展示車両を片っ端から紹介!(ちなみにこれで全部ではない!)

ロータリー除雪機関車DD53型1号機。ロータリーヘッドの中って吸い込まれたら怖い!

DD51型ディーゼル機関車の1号機       1等寝台車マイネ40型

キハ20型気動車                  EF60型500番台電気機関車の501号機

キハ30型900番台気動車             なんと行き先表示が「川越」!!
さっき乗ってきた川越線を走っていたんですなあ〜

個人的に一番気に入ったのがこれ!軌陸両用保線トラック!ふむふむ、こういう構造なのね〜

EF65型500番台電気機関車の520号機    食堂車オシ17型
ちなみにEF65型の中でも、この520号機はひさし付きの高速貨物列車用で、寝台特急牽引機関車とはちと違うのである!だからヘッドマークを掲出していないのだ!
またオシ17型は北陸トンネル事故の出火元の形式として有名

左からEF62型電気機関車の1号機、EF15型電気機関車の165号機、EF63型電気機関車の1号機
ほぼ 全部の機関車にヘッドマークが付けられているけど、「999」ってのは蒸気機関車につけて欲しいもんだ!

左がEF59型電気機関車の1号機。右がEF53型電気機関車の2号機。
EF59は西の箱根と言われた広島県の瀬野ー八本松間で補機として使われていた機関車で、実はEF53型の改造車。

EF80型電気機関車の63号機          EF58型電気機関車の172号機
EF58の172号機は、一度天皇陛下が乗る「お召し列車」牽引をしたことがあり、車体の一部や下回りに銀色の塗装が施されているのが特徴。

EF30型電気機関車の20号機          D51型蒸気機関車の96号機
EF30型は関門トンネル専用のため、塩害対策で車体がステンレスになっている。
D51型は、初期の100両の特徴である「ナメクジドーム」装備の車両。煙突の後ろにドームがついているのが特徴

展示エリア外の退避線路に保留されているのはEF63型3両と189系特急電車2両。
EF63型は全部で4両が動態保存され、「運転体験」をすることが出来るのだ!何度も通いつめると「免許」をもらえるのだとか・・・。
それにしても・・・189系特急電車の荒廃ぶりは・・・?

そしてこの広い園内を周回する線路では、本物の蒸気機関車が走っている。もちろんフルサイズではなく、本当に小さい車両であるが、石炭のにおいと煙があたりに立ちこめ、「ピッ」というホイッスル音と共に妙に旅情を誘う。
蒸気機関車が点検中だったり、石炭補充中はディーゼル機関車が代走!右の画像はディーゼル機関車の引く「アプト君」号

園内をくまなく回った「ブラッディー」は、次に園内から発車するトロッコ列車に乗ることとする。トロッコ列車は廃線となった6.67%区間を通って「峠の湯」という温泉施設まで走っているのだ!これは乗らなきゃソンでしょ〜

ということでこれがトロッコ列車。女性の車掌さんがいて、沿線の説明をしてくれながらわずか2.8kmの区間を走る。
編成は3両編成で、先頭がオープンデッキのトロッコ、次がクローズデッキのトロッコ、最後にDB20というディーゼル機関車。ちゃんと「横川機関区」の区名札が付いている!
つまり、登るときはディーゼル機関車が推進運転で走るわけ!運転士さんは先頭トロッコのTVカメラの画像を頼りに運転するのだ!

左がクローズデッキ車、右がオープンデッキ車。もちろん「ブラッディー」は子供なので先頭車に乗る(爆)
列車は文化村駅を出発すると時速10kmくらいの速度でゆっくりと登る。ここで飛ばしたらトロッコ内の客は目が開けていられないわなあ〜〜。

いつもはあっちの国道18号から見上げているのだが、今回はこっちから見下ろす。

峠の線路なれど、意外とまっすぐなのにびっくり!線路の右側は旧上り線で、現在は先述の「ウォーキングトレイル」と言う遊歩道になっている。
ちなみに右の併走する川は「僕のあの帽子、どこに行っちゃったんでしょうね」のあの台詞で有名な映画のCM撮影が行われた場所なのだそうだ。

このトロッコ列車には途中1箇所だけ中間駅がある。駅名は「丸山」。この駅の前にはレンガ造りの重厚な「丸山変電所」がある。横川ー軽井沢感が開通したときに建設された変電所で現在はもちろん使われていないが、国の重要建築物に指定されているとか。
旧丸山変電所
丸山駅を出発すると、トロッコ列車はいよいよ6.67%区間に差し掛かる。走行中に標識を撮影したのだが失敗!
そして文化村駅から約20分で終点の「峠の湯」駅に到着!
終点でーす!
「峠の湯」正面玄関
この温泉施設、佇まいが何かに似ていると思ったら、「めがね橋」の形をモチーフに作られているのだとか。建物の外周をぐるりと取り巻くレンガ造りの通路は遠めに見ると鉄道の橋みたいに見える。

せっかく温泉があるなら入るのがSpirits流!ということで1時間ほど温泉で骨休め。
ここの温泉は無色透明で温度はぬるめ。汗っかきのブラッディーにはこのくらいがちょうど良いかも。露天風呂にいるとひんやりした山の空気に囲まれていつまででも入っていられそう〜〜!サウナも完備しているし、大きな休憩施設やレストランも併設。もちろん駐車場もでかい!こりゃツーリングのときにも使えそうだ!

帰路
温泉でゆったりした後は帰路に着くこととする。
本当はめがね橋まで歩いていこうと思ったのだが、雨が止む気配がないのであきらめることに。また来る機会もあるだろう。
2.8kmをのんびり歩いても良かったのだが、帰りもトロッコ列車に乗ってゆくこととして車掌さんから切符を買い、今度はクローズデッキのトロッコに乗る。
機関車とトロッコの連結部
ここってなかなか見る機会ないと思ふ。
この連結器は「自動連結器」と呼ばれる形で、連結を開放するときには連結器上にあるクランクみたいな棒を上にくるりと回す。
そうするとてこの原理で連結器の上のピンが抜けて連結が外れるわけ。この棒の名前は「カプラー開放てこ」。考案した人は特許だろうなあとか思ったりする。

文化村駅に到着し、横川駅まで歩いてゆくとちょうど上り電車が出発するところだったので、これに飛び乗って一路高崎を目指す。
高崎からは往路とルートを変えると言うことで、高崎線のE231系電車に乗る。
湘南新宿ラインと共通の車両なので、もちろんグリーン車つき。当然グリーン車に搭乗!

腹が減ったので「上州榛名豚100%使用チャーシュー弁当」を買い込んであっという間に完食!
朝早かったと言うこともあって、腹が満足した「ブラッディー」はそのまま撃沈。気がついたら大宮だった(爆)

ということで、ふらっと思いついて行動してみた今回の「電車でGo!」往復の交通費と入園費用、弁当代を全部入れても8000円くらい!これって結構リーズナブルじゃない?
最近流行の「大人の社会化見学」の待機メニューに加えようかな??

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