Bloody's Tea Room
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2018/02/18 15:32更新 

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〜「Bloody」の 東北新幹線「はやて」試乗記〜

2002年12月1日、東北新幹線が八戸まで開通した。1982年の盛岡開通以来20年、やっと構想どおり青森延伸に向けた第一歩が踏み出されたわけである。
この開通の目玉、新型E2系1000番代電車を使用した「はやて」に乗る機会が早速訪れた。
「ブラッディー」は十和田への出張ついでにこの「はやて」を利用。そのインプレッションをお届けしよう。
また、この改正ではもう一つの目玉があった。それはJR北海道が新型789系特急電車[スーパー白鳥]により本州に乗り入れを開始。JR北海道の電車が本州を走るのはこれが始めてとなる。では旅行記を一挙掲載 しよう。

<「はやて」一口メモ>

今回のダイヤ改正前は盛岡どまりのE2系「やまびこ」と秋田行きE3系「こまち」が併結運転を行っていたが、この改正で「こまち」併結の東北新幹線は全て「はやて」となった。そして「はやて・こまち」は全車指定席となり、「はやて」には新造のE2系1000番台が使用されることになった。また従来のE2系も8両編成から10両編成に増強され、引き続き「はやて」にも使用されることとなった。
E2系1000番代のトピックスはこちら↓
・先頭車両には台車に油圧式アクティブサスペンションを使用し、高速時の編成安定性を高めた。
・パンタグラフにウイング付シングルアームパンタグラフを採用し、離線防止を図った。
・座席の設計変更によって座面がスライドするタイプとなった。
・小窓がずらりと並ぶ従来のE2系と異なり、大型2連窓によって視界を良くした。
・従来のE2系「あさま」と識別するため帯の色を赤→ピンクとした。

大宮:8時
今回は「はやて・こまち」が全車指定席となった関係で、まだなれていない乗客のために駅のホームではスタッフが総出で対処に努めていた。
このダイヤ改正では新潟行きの上越新幹線が「あさひ」から「とき」に変更され、懐かしいネーミングが復活した。その裏には長野行き「あさま」と新潟行き「あさひ」の紛らわしさもあったらしいが・・・。

東北新幹線「はやて」は上記の通り全車指定席で10両編成。秋田行き「こまち」6両編成と併結の16両で盛岡まで走る。盛岡で「こまち」と別れて八戸へ向かうスタイル。

東海道新幹線が700系、300系にほぼ統一されているのと対照的に、東北、上越系統の新幹線は車種がバラエティー豊か。入ってくる電車ごとにカラーも異なっていて楽しい。
輸送量が求められる東海道とは対照的に、行き先ごとのきめ細かさがみられる。
この辺で当日見た車両を紹介しよう。
E4系「MAXやまびこ」8両編成。全車2階建て
200系延命工事施工車両「とき」10両編成。
E2系「あさま」8両編成。赤い帯が特徴
その他E3系1000番台と400系の「つばさ」7両編成、E1系の[MAXとき」12両編成、200系1000番台「やまびこ」16両編成などなど・・・見本市のようである。

出発:8:22
E3系「こまち」を先頭に「こまち・はやて」が入線してくる。 ちょっと見た感じでは「こまち」のほうが混んでいるかな?今までは「やまびこ・こまち」にも自由席があったのに、全車指定になってしまったら混雑シーズンではどうするのだろうか?
「はやて・こまち」入線!先頭は「こまち」
これがE3系とE2系1000番台の連結部。
下側が密着連結器(要は機械的につなぐ)上が電気連結器(電気的な信号やり取りするコネクタ)
ウイング型シングルアームパンタグラフ。
空力で架線にパンタを押し付ける。ウイングの下にはパンタ用のサスペンションがある。

私は「はやて」の前から3両目の8号車に乗る。従来のE2系が「はやて」仕業に入ることもあるのでちょっと心配だったが、ラッキーなことに新型E2系1000番代に乗ることが出来た。
新車だけあって室内はとても綺麗。座席の色も従来のE2系が3色の千鳥配置だったのに対してシックなブルー系統で統一された落ち着きの配色。こちらの方が私の好み。
座席は一口メモに書いたとおり座面スライド機構も内蔵した新型で、座面スライドとリクライニングが調整できる。リクライニングを使用するとお尻のところがちょっと沈むようになっていてこれが非常によく出来ている。すわり心地は最高
こんな感じで操作します。
今回は乗客が多いため車内の撮影は控えることにしたが、天井の間接照明や壁の木目などの仕上がりは落ち着きの空間といった感じで好感が持てる。

ダイヤ改正直後のためだと思うが、普段は2名しか乗車していない車内販売が4名も乗車!しかもみんな美人!「はやて」に綺麗どころをつぎ込んでいるのかー。
[有機焙煎コーヒー]なるものを売っていたので試しに買ってみた。なかなかうまい。

走り始めて感動したのは揺れがまったくないこと!とにかく揺れない!上下動は皆無で、すれ違いでわずかに横揺れが来るぐらいである。
どんなに揺れないものかと思い先ほどのコーヒーをテーブルにおいてそのままにしてみたが、このコーヒーの液面が揺れない!!頭文字Dの藤原拓海の運転のようである(爆)
これが有機焙煎コーヒー。液面が動かなかった!
すわり心地のいい椅子とうまいコーヒーのおかげで眠くなり、宇都宮付近から撃沈モードになる。
結局盛岡まで目は覚めず・・・。

盛岡にて
ここで「こまち」との切り離しとなる。ファンならずともこの切り離し作業には興味津々!私のほかにも野次馬多数。しかも「こまち」の盛岡停車時間は2分。[はやて]も4分という短時間で作業を終わらせる。
では連続撮影でこの模様をお目にかける。

連結部分が見えるように向こう側に鏡がついている。切り離しは全て運転席からの遠隔操作で行われ、作業員は見ているだけ(すごい)。「こまち」がゆっくり出発してゆくと勝手に連結器が離れる。


出発してゆく[こまち]                   残された「はやて」は自動的に連結機を収納
先頭に立ったE2系1000番台「はやて」

盛岡から先は70%がトンネル。景色はつまらない。相変わらず乗り心地は最高である。
また眠くなってくる。八戸までの所要時間は30分ほど。途中二戸に停車して八戸に定刻で到着。

あっという間の2時間半であった。最高速度280kmと聞いても信じられないほど乗り心地が良かったというのが一番の印象だなあ・・・。
ブルートレインとは違った現代の旅。速度と快適さが要求される世の中の申し子のようだというのがE2系1000番台の印象であった。青森、函館まで開通するのはいつの日になるのであろうか?それまでこの電車は走り続けるのであろうか?盛岡開業時点で製造された200系はすでに使命を終えつつあり、20年の時が経過した。私の生きている間に北海道に新幹線が到達するとは・・・思えないなあ。
「はやて」開通に沸くの東北地区


おまけ1東北本線特急[白鳥]、[つがる]
八戸で「はやて」を降りて在来線に乗り換える。私の行き先は三沢である。八戸からは特急で13分。各駅停車で20分。この短いリレーを担当するのが在来線の特急[白鳥]「つがる」である。
[白鳥]は函館行き。「つがる」は青森、弘前行きである。

八戸での乗り換えは自動改札。東海道新幹線ではこの自動改札に引っかかる人はあまりいないのであるが、皆さん慣れていないのかやたら引っかかる人が多い。改札を通り抜けるのに5分くらいかかってしまう。

新幹線の八戸開通によって、盛岡ー八戸間は[青い森鉄道」という第3セクターになった。
この第3セクターの料金が異常に高いらしい。地元では社会問題になっているとか・・。


ホームに降り立つと特急車両が2本停車中。新しいのと古いのと・・。
私は残念ながら古い方に乗る。これが函館行き特急[白鳥3号]。JR東日本の老練485系特急型電車で製造は昭和53年!何と東北新幹線開業よりも前に製造された車両なのである。
但し、この485系は3000番台といってJR東日本が延命工事を行ったリニューアル車であり、車内の座席や外装などは現代風に完全モデファイされており、最新型と比べても遜色はない。
しかも青函トンネル内で在来線最高速度140kmをマークする俊足の持ち主なのだ。
[白鳥]用485系3000番台特急型電車

新しいほうがJR東日本のE751系特急型電車。こちらは30分後に出発する「つがる」に使用される車両。
なぜ函館まで行く[白鳥]に使われないのか?というと、青函トンネル内にはATC(Automatic Train Control)が装備されているため、車載機器を搭載していないと通過することが出来ないのである。
このE751系は青函ATCを装備していないため本州内専用でしか使えないのだ。
「つがる」用E751系特急型電車

[白鳥]に乗り込んで待つこと3分。何の放送もなく突然出発!おいおい、[発車します]位は言ってくれ。
たった13分乗ると三沢着。なんともインプレッションのしようがないほど短時間・・・。
大宮から三沢までたった3時間である。先日の「はくつる」では8時間!進歩は目覚しい。

おまけ2:東北本線特急[スーパー白鳥]
三沢からの帰路には今回のダイヤ改正の目玉の一つ、新型789系特急電車[スーパー白鳥]に乗って帰ることとした。但し、乗車区間は三沢ー八戸間の立った13分だけだが・・・

この「スーパー白鳥」はJR北海道が始めて本州に乗り入れを果たす電車であり、青函トンネル内を160kmで走行できるらしい。デザインもJR北海道の特徴がかなり前面に出されており、奇抜!

三沢駅で[スーパー白鳥]を待っているとなにやら怪しい列車が入ってきた。
実は時刻表上にも存在しないジョイフルとレイン「きらきらみちのく」号で、団体専用列車である。
乗っていたのは数名・・・ディーゼルカーの3両編成でなんかの改造車だろうなあ・・。
「きらきらみちのく」号

待つこと10分、「スーパー白鳥」が入線してきた。なんとも奇抜なデザインである。
本来は5両編成での運転であるが、先頭車の貫通機能を生かしてこの日は8両編成での運転。ステンレスの車体はなんとなくのっぺりしていて山手線を思わせる。
車内は非常に明るくセンスのいい配色。奇数号車はブルー系統、偶数号車は赤系統の配色でシート色が分かれている。
座席には[JR北海道]の雑誌が装備され、この電車がJR北海道の所属であることを連想させる。当然「ご自由にお持ち帰りください」の文字を見て持ち帰ったことは言うまでもない。

これが789系特急型電車[スーパー白鳥]。出入り口には青函の地図が描かれている。
先頭車は貫通機能がついているので増結等の対応は自由自在。

おまけ3:十和田観光電鉄
[ブラッディー]は三沢から先、十和田観光電鉄というローカル電車に乗って終点の十和田市まで行かなければならない。
この電車、1両または2両編成で単線をコトコトと走るなんとも風情のある電車なのである。赤字らしいが、地元の中高生の利用があるので廃止には出来ないらしい。
この電車がなんとこの新幹線開業で大変身!!戦後まもなく製造された旧型電車に変わって東急からのステンレスカーを購入。(実際は10月には置き換えた)一挙に近代化を図ったのだ。
これが従来の電車モハ3500とクハ3600
古い方の電車は[つり掛け式駆動装置]を搭載。モーターのうなり音がすごい電車であった。子供の頃、首都圏でもまだ走っていた元東急の旧型電車で、なんと昭和25年製。
当然冷房もなく、板バネの台車はめちゃめちゃ乗り心地が悪い。揺れが激しいので大きなカーブではつり革がパイプに当たって[カンカン]と音を立てる。
でも、この電車は大変風情があり、[つり掛け]の音ももはや全国的に珍しいということもあって、お別れ運転の時には全国から鉄道ファンが駆けつけたらしい。
これが新しい電車7000系
新しいほうは元東急の7000系。新しいといっても製造は昭和38年ごろである。
ところが、この電車は冷房付ステンレスカーで、十和田観光電鉄に入線する前に徹底的な改造が施された。
室内座席の総取替えと制御装置の最新式への変更、ワンマン運転装置の取り付けである。
この結果、制御装置は最新の車両と同じ[VVVFインバータ制御]という交流誘導電動機を可変周波数、可変電圧で駆動する方式となった。
車内には電光掲示板付自動放送ワンマン設備があり、従来の電車とは格段の差。

でも、前の電車の方が風情があってよかったと思うのは「ブラッディー」だけであろうか・・・。


怒涛のごとく旅行記を書き上げてしまいましたが、新幹線での旅はちょっと[旅]の感覚が希薄ですね。
やっぱり時間に追われる現在の移動方法は私の感覚には合いません。
いくら快適な車両になっても[移動する]という感覚が[旅をする]感覚に勝ってしまっている気がするのです。
やっぱりブルートレインが楽しいな!


 

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